スマホ:データ容量の繰り越しサービスにご注意!

使い切れなかったパケット、翌月に繰り越せます!が怪しい件

知人と『月々どのくらいパケットを使っているか?』『契約プランはどのくらいの容量にしているか?』などスマホの契約に関する話題をしていた時のこと。ちょっと気になる情報を頂いたので調べてみた結果、消費者に不利な仕様で契約させられていることが判ったので、図を使って解説してみます。

繰り越しサービスで『不利な条件』とは

みなさん、契約時にはだいたいこのような文句で説明を受けていると思います。

当月に使い切れなかったパケットは、翌月に持ち越して利用できます。
翌月に持ち越しても使い切れなかったパケットは、翌々月には持ち越せません。(権利は消滅します。)

みたいな。で、我々は当然、こういうイメージを持ったはずです。

我々が抱いたイメージ

【例】あなたは、毎月15GBまで高速で通信でき、契約したデータ量を越えてしまった場合、200kbps など低速な通信状態に切り替わります。みたいなプランに契約していたとしましょう。
当月、あなたは 10GB の高速通信を利用 して、 5GB 余り ました。
翌月、月が変わり新しい月の通信量(15GB)が追加 されました。

繰り越した 5GB
翌月に発生した 15GB (権利)

翌月、あなたは、先月と同じように 10GB のデータ量(パケット)を消費した とします。
そしてあなたは、翌々月に繰り越すデータ量を、このようにイメージするはずです。

翌月使った 10GB (持ち越し 5GB+当月の5GB)
翌々月に持ち越せると思っている 10GB

翌々月のイメージ (合計 25 GB) = 我々がイメージするデータ量

繰り越したと思っている 10GB
翌々月に追加された分 15GB (権利)

ところが、そういうことにはならないんですよ。

翌々月のデータ量。契約に従うとこうなります。

翌々月、実際の繰り越しデータ量を含む、利用可能なデータ量は、以下のようになります。

繰り越した 5GB!(えっ)
翌々月に追加された権利 15GB (権利)

えっ、繰り越しデータ量が 5GB っておかしいぞ。

Why Japanese people!(絶叫)
俺の5GBはどこいった?

どうして、こうなるのか解説します。

エグい仕様は、データ量が消費される順番

言葉で説明してしまうと、『当月のデータ通信量は、当月に発生した通信量から先に消費し、繰り越しなどで発生したデータ量は、それらが使い終わったあと、最後に消費する。』
というのが、主要キャリア 3社の仕様なんです。(主要キャリアと書いた部分については後述します。)

我々が思っていた消費の順番 (10GBくらいを消費するイメージ)

繰り越した 5GB
翌月に発生した 15GB (権利)
10%
30%
50% このように使われると思っている。

主要キャリアさんが設定した仕様で、10GBを消費するイメージだと

繰り越した 5GB
翌月に発生した 15GB (権利)
繰り越した 5GB
ここから
繰り越した 5GB
使われていくので
繰り越した 5GB
この時点で、繰り越し分が手つかずで、消費できてない!(ここが問題)

なので、翌々月

この権利が消滅してしまう

すべての通信事業者が、エグいとは限らない

この『エグい仕様』は、主要キャリア (ドコモ、au、ソフトバンク)のものであって、MVNOを中心とする通信事業者は、我々のイメージ通り繰り越したデータ量から消費してくれるところがあります。
新規契約や、契約更新、プラン変更の際は、こういう細かなところもチェックして対応して頂きますと、あとで

Why Japanese people!(絶叫)
俺の5GBはどこいった?

と絶叫しなくてすみます。

この方法でも実害が少ない方もいらっしゃいます

パケット消費の順番の是非は、人それぞれ感じ方が違いますので、私のように絶叫する方と、別にそれくらいいいんじゃない、と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、このプランでも実害が出ない、出にくいケースについても解説しておきます。
前に挙げた【例】のように月々の契約が 15GB であって、実際のデータ通信量が 平均的に 15GB を越え、たまに 15GB を下回る可能性がある、という方は、2カ月連続でデータ消費量をみた時に、繰り越し分のデータ量まで消費してしまう場合は、まったく実害がありません。

一番、実害が大きい使い方は

【例】のように月々の契約が 15GB をしているものの、月の平均利用データ量が、10GB~10数GBであり、毎月 数GBは繰り越しをしている方です。
そんな方の場合、私はしっかり繰り越ししてデータ量を無駄なく消費している、と思っていたら実際は、毎月残りのデータ量を捨てているのとほぼ同じ!という結果になっています。

この比較で、検討してください

月々の支払いで得か損か?で見ると、
大きな容量のデータ通信量で契約して、使い切れなかったデータ量を捨てる方が(下記の方法と比べて)安上がりかどうか?
ひとつかふたつ、容量の少ないプランで契約して、高速で通信できるデータ量を使い切ったときに、追加費用を支払うことでデータ通信量を追加するオプションを選んで、必要なデータ量だけ追加する、そういう方法が安上がりにならないか?検討の余地があります。

この記事で声を大にして言いたいこと

契約時、プラン変更時に、店舗などで『少し多いプランの方が余裕があって良いですよ。余っても翌月に繰り越せますし。』みたいな勧誘があるかもしれませんが、前の説明通り、実際に利用したデータ量より少し多めのプランは、現時点であまりお得にはならない可能性が高いです。


この記事を作成した以降に、通信事業者側で仕様を変更する場合があります。
最新のルールについては各通信事業者様のウェブサイトなどでご確認下さい。