Windows10で Disk使用率が100%になって動作が遅くなる問題の情報

Windowsの動作がものすごく遅くなる問題が継続して発生しています

あまり話題にはなりませんが、ウィンドウズには長い間解決できていない問題があります。
ログインした後、パソコンの全ての動作が急激に遅くなる事象でハードディスクなどの故障を伴わない、純粋なウィンドウズのプログラムの問題です。歴史は古く、Windows 8の頃から報告がありますが、まだ根本原因も対処方法も見つかっていません。Windows 10からアップグレードしたWindows 11でも報告があるようです。

※ よく似た症状として、HDD/SSD故障に伴うウィンドウズの動作スピード低下という事象がありますが、この記事では触れません。動作が遅くなる症状にも、複数の要因があることを認識して置いてください。

症状が報告されているウィンドウズの種類

Windows 8 と Windows 10 で報告が集中しています。Windows 11にアップグレードしたモデルでも報告があります。2023年の時点では、世の中で動作しているパソコンの台数比率では Windows 10 が多いせいか、最近の報告件数で言うとWindows 10での報告が多いです。
Windows 7/8/8.1で販売されていた機種がアップグレードされてWindows 10で動作している機種がありますが、この中には個別の対処で解決できる、別系統のDISK 100%問題があります。
この記事で話題にしているのは、個別の対処方法がないWindows 10以降で発生しているDISK 100%問題についてに絞りたいと思います。

症状の概要 (特徴)

パソコンの動作がものすごく遅くなる。
・電源を入れて、ウィンドウズを起動している最中~ログイン画面が出るところまでは通常時(発症前)とあまり変わらない速度で処理が進むことが多い。
・ログインが完了して、デスクトップの画面が表示されたあたりから、急激に遅くなる。
この症状になると、アイコンのクリック(プログラムの起動)、スタートボタンの操作、シャットダウン処理のウィンドウズ上の全ての操作が遅くなる。
・遅くはなるものの、停止している訳ではないので、操作した内容はしばらく経ってから表示される。
・20分程度経つと、通常の速度、もしくは、まぁまぁ我慢できるスピードに回復することがある。 (後述の 症状(a)~(c) )
・パソコン起動直後に発生する場合と、時間が経過した後で不定期に同じ症状が再発する場合もある。 我々が見聞きする事例では、パソコン起動直後から発生しているパターンが圧倒的に多い。
問題が発生しているかを識別する方法 は、【タスクマネージャー】を起動し、プロセスの項目で【ディスクが100%】になり続けていること。

変化球版 DISK100%問題について
※ディスクの項目ではちょうど50%の表示なのに、折れ線グラフだと100%の表示をする『見た目50%だけど実は100%』という隠れDISK 100%問題も把握しています。表示がちょうど50%に見える 以外症状は一緒です。
※ ディスクの項目ではちょうど33%の表示なのに、以下同様・・・という症状も拝見しました。認識されている内部ストレージ/パーティションが複数ある場合に変化するのかと?想像しています。

特徴と基本的な対応方法

重要な特徴は、 ディスクの項目が100%になっていても、実際のデータ転送(折れ線グラフ)はそんなに激しくなく、不自然に負荷の表示だけが100%と表示されること。100%の間はものすごく遅いが、 この負荷が99%以下になれば、ある程度作業は進む。100%表示の間は、作業が進まず止まっていると勘違いする場合もあるが、動作が遅いだけで、確実に処理は進んでいます。完全に止まっている訳ではないので強制電源OFFなどは厳禁です! 99%以下になるまで操作をせずに待つか、シャットダウンを押して、自然に電源が切れるまで待つ。

絶対に【やってはいけないこと】
・強制的に電源を切ること。(Windowsが壊れます。)
・同じ操作をガチャガチャ繰り返すこと。(クリックした分だけ、あとで何個も狂ったように動作します。)
・シャットダウンや再起動が遅くても電源を切らないこと。(Windowsが壊れます。)
共通して言えるのは、この症状が出ている間は短気を起こしたらダメです。強制的に電源を切った方の多くは、Windowsが起動しなくなる二次被害を発症しています。

ふだん、ウィンドウズを利用している間にも、ディスクの負荷は一時的に(ごく短時間)、すぐに100%になったりします。例えばアイコンをクリックしてプログラムを開始させた時とか。こういう瞬間的な100%負荷を示すことはまったく問題ではありません。すぐに元の性能に戻ります。ここでいう症状は、瞬間的な100%負荷ではなく、特に忙しい理由もないのに、ずっと継続して『100%になりっぱなし』というのがこの症状の特徴です。
パソコンを起動し、一通り常駐ソフトの動作が終わったのに、まだ100%のまま。こういう状況がDisk 100%問題の特徴です。

症状の見分け方 (モニタリングの方法)

下記のいずれかの操作を実施すると、ディスクの負荷がリアルタイムで見られます。

CTRLALTDELETE キーを同時に押し、
画面が変わったら、タスクマネージャー をクリックする。
・もしくはスタートボタン右クリックして、【タスクマネージャー】をクリック。
CTRLSHIFTESC キーを同時に押す。
(PCの動作がある程度あるなら、こちらの方が簡単かもしれません。)
※ Disk100%問題が発生している場合は、この画面に切り替わるのにも時間がかかる場合あり。

・タスクマネージャーというプログラムの画面が出たら、左下の 詳細 (D) を押す。
・少し多い画面表示に変わったら、上の方の 『CPU メモリ ディスク ネットワーク』のところにパーセント表示が出るので、そこの『ディスク』の値 (パーセント)に注目します。
※最初、数字が低い場合もありますが、1分程度待たないと正しい値が表示されない場合があります。
パフォーマンス のタブを押しておくと判りやすいです。
・他の作業をしながら推移を見守るために、ウィンドウは少しずらして、大きさを調整して、画面の端に表示させておくと便利です。
・他の操作をしていないのに、赤い表示で 100% になり続けていたら、これがディスク100%問題 です。
※ ちょうど 50%の表示になる『隠れDISK 100%問題』もあります。50%で推移している場合も注意。

症状の詳細

当店で拝見した症状では、大きく2種類 の症状がありました。(a)軽傷タイプ と (b)劇症型タイプ です。
※(c)は、複合事象なのでカウントには含んでいません。

電源を入れ、ウィンドウズのデスクトップが表示されてから15分~30分程度で通常のスピードに回復する症状です。
だいたいどのパソコンも、ウィンドウズ起動直後の数分間は、色々な作業が重なって動作が遅くなる時間帯なので似た様な状況になりがちですが、あまりにその遅い時間帯が長いので、【タスクマネージャ】を見たら今回の問題と同じだった、という方も多いようです。

(a)に関しては、こういう状況なんだとあきらめて数分間を耐える方法や、
リカバリー・システムの復元などで、発生以前の状態に戻す方法も一時的な効果を得る手段としては有効ですが、再発リスクがあります。(リカバリーの場合は、事前にデータを退避させたり、利用環境を整え直したりと色々と大変な面もあります。)
また、効果のありそうな対処方法を実施してみる、という方法もあります。
後述の解決方法をお読み頂き、対処方法をお考えください。

比率としては少ないと感じていますが、この症状が発生すると、そのあとずーっと遅いままとなる症状があります。
世の中で公開されている対処方法を実施することで、(a)の症状に改善できた事例を知っていますので、 複合的な問題から、(b)のような重症度の高い問題があるのかもしれません。決定的な対処方法は残念ながらありませんが、どうしても何か対処をしたい、という方は自己責任で実施してみるのもアリです。

大事なデータの退避が終わったら、色々な取り組みをしながら、(a) に持っていくよう試みます。
経験上、ディスクの物理的な故障など、複合的な理由から発生しているものも含まれます。

色々なチャレンジをする前に、現実的な対処方法を参考に、ご自身のデータ保護に努めてから各種改善のための作業を実施してください。

症状の解決方法

この『Disk 100%問題』(勝手に命名)がやっかいな理由は、確立した修理・改善の方法が見つかっていないこと です。
これを実行すれば効果があるかもしれない、というレベルの対処方法は色々なところに情報としてありますが、これを実施すれば間違いなく解決しますというものが無い様に感じています。

現実的な対処方法 (1)

プログラムの削除や、設定の変更を行う前にぜひ、検討して頂きたい内容があります。
それは、重要なデータの保護(救出) です。ディスク動作が激しくなる症状なので、経年劣化しているハードディスクなどは、この症状をきっかけとして自然故障を誘発する場合も多く、またハードディスク故障によるウィンドウズが遅くなる症状も、この『Disk 100% 問題』と似ているため、気づくのが遅くなる傾向があります。

・インターネットのケーブルを外す、WIFIの接続を停止させる。
・ウィルス対策ソフトを一時的にアンインストールする。
・OneDriveをウィンドウズ起動時に動作させない設定をOnにする。

などを実施することで、一定割合ではありますが症状(b)が(a)に緩和したり、100% にならない時間帯の割合が増える傾向があります。自力でデータ救出まで考えていらっしゃる方は、始めに、この方法で大事なデータをバックアップするよう心がけてください。
実際の効果のありそうな対処については、データ救出が終わった後でお願いいたします。

現実的な対処方法 (2)

内蔵されている起動ドライブを、HDD から SSD に交換して、ウィンドウズを入れ直す方法です。(※追記)
原因が定かでないので理論的に説明はできませんが、経験則としてSSDを搭載させたパソコンでは、この症状が発症しているのを見たことがない(遅いと気づいたことがない)です。圧倒的な読み書きの速さで、症状が出にくくなるのかもしれません。

ほかでも紹介されていて、当方でも効果があると思われるもの

効果は低いかもしれませんが、作業上のリスクが少なく難しくないという点で、以下のものを紹介いたします。
HDDなどが故障していないことを確認し、データのバックアップなど準備万端整ったら、試してみてください。
動作スピートが遅いので、十分に時間が取れるタイミングで実施してください。

・Windows Updateを、手作業で実施する。
・OneDriveを、起動しない設定にする/アンインストールする。(OneDriveを使っていない方限定)
・追加導入したウィルス対策ソフトをアンインストールして、Windows Defenderだけの状態にする。
・ウィルス対策ソフトを使って、パソコン全体をスキャンしてみる。

当店でも Disk 100%問題が発生した際はお手伝いが可能です

説明のように、まだ確実に解決できる決定的な方法はありませんが、大事なデータの保護をお手伝いしたり、効果のありそうな対処を実施したりという作業支援でしたら、お手伝いが可能です。このような症状でお困りの方は、ぜひご相談ください。

パソコンの修理・相談は、パソコン360(028-666-0736)まで、お気軽にどうぞ。