楽天ペイでご利用明細を印刷するプリンター、純正品でないもので代用できるか奮闘した記録

楽天ペイのレシートプリンター、純正品でないもので代用したい

中小企業を中心に導入が進んでいる簡易決済端末ですが、写真のように大変小さな製品です。
当店でも数年前から導入しているのですが、昔からある専門的な端末と違ってメリットやデメリットがあります。
この記事では、微妙に高いあのプリンターを代用品で対応できないか? 純正品では無くもっと安いプリンターで代用できないのか?そういう観点で奮闘してゆきます。

当店で定めたゴール設定

奮闘の記録を書き始めまる前に、当方で設定したゴールを先にお話します。
純正品での構成と同じものが代用品で組めると勘違いさせてしまわないよう、先に構成(ゴール)の違いを説明します。

純正品を使った構成は、【決済端末】【タブレット】【純正のレシートプリンター】 です。決済端末から直接、Bluetooth経由で、ご利用明細(お客様控え)が印刷できることが特徴です。
当店で代用した構成は、【決済端末】【タブレット】【パソコン】【USB接続のレシートプリンター】 となります。ご利用明細(お客様控え)をいったんメール経由でパソコンに送信して、パソコンから届いたメールをレシートプリンターに印刷するという手順が余計に入っています。
用意する項目にパソコンが増えていて、bluetooth接続ではないUSB接続のレシートプリンターに変わっていることに注意してください。

このような端末を導入する上で良い点と悪い点

楽天ペイに限らず、このような小型の決済端末を導入する際に発生する、メリットとデメリットです。
良い点
・専門的な機器と比べて、決済用端末の導入費用が安い。
導入キャンペーンなどが開催されていれば、期間内の決済金額により決済用端末の購入代金の一部返還などもある。
悪い点
・ただしご利用明細を印刷するプリンターは専用の物が必要で高価。

悩ましい課題
当店のように、決済用端末だけを用意して、レシートプリンターは導入しなかった場合に以下のような事例が発生する。
・ご利用明細(お客様控え)は基本的に電子メールで送信することになるが、
→ メールアドレスを持っていなかったり、紙で要求されてしまうことがある。

・紙でご利用明細を希望される方への対応にコストがかかる。
→ PCにメールを送信、パソコンで印刷、適切なサイズに裁断してお渡し

クレジットカード払いの場合、長くご利用明細(お客様控え)を受け取る文化があり、小型の決済端末なので紙は省略されていて電子メールでお願いしますとお伝えしても、なかなか納得して頂けない状況があります。

上記の問題を解決すべく、当店で提起した課題

はじめに申し上げますが、これは当店が勝手に思っている問題点で、一般的には専用のレシートプリンターを導入すれば解決する問題です。
当店スタッフが、レシートプリンターが高いので導入したくないと言っているだけの問題なんです。
また、当店で代替案として記載する方法は、広く皆様に推奨する方法でもありません。
あくまでも、同じような悩みというか課題を持っていらっしゃる方に代替案としてこういうのがあるよ、当方ではこういう状況だったよ、という情報提供です。

お約束の文言になりますが、作業の手順や内容を保証するものではありません。同じような商品を購入して、同じように設定してもうまくいかないこともあるかもしれませんが、当店では未保証です。各人の責任において実施してください。

当店で実施した代替案

一般的なプリンターでもご利用明細(お客様控え)は印刷できます。印刷できているのですが、これには問題があります。
当店でもっとも解決すべき課題にしているのは、PCに送ったご利用明細(お客様控え)を印刷したあと、余白などをカットして小さくする作業です。
(メールとして届くため、メールヘッダーやフッター情報の部分を切り離す作業が生じます。)
一般的なプリンターはA4かB5で印刷してしまうため、どうしても印刷サイズも余白も広く、ご利用明細(お客様控え)自体が大きくなってしまいます。いつも不要部分をカットしてお渡ししておりますが、それでも結構大きなサイズになってしまっていて、今回の改善項目としています。

  • USB接続のサーマルプリンター (レシートプリンター)を導入する
    → 当店ではレジで使っている感熱紙が58mm幅のものでしたので、これが流用できるという条件をつけて選びました。接続方法は、USB接続・BLuetooth接続・LAN接続と色々なものがありましたが、USB接続のものにしました。(57mmとか微妙なサイズの製品もあるそうなので注意が必要です。)
    『Bluetooth接続のものを選べば、純正品と同じように使えるんじゃないのか?』 と思われる方も多いと思いますが、これはあとで考察として記します。
  • パソコンから印刷ができるよう設定しておく
    購入するレシートプリンターをパソコンに接続して、パソコンから印刷ができるよう設定をしておきます。
    今回当方でテストとして購入したものを下記に記しておきます。Windowsドライバーが付属し、接続や設定の際の情報がクチコミにあり安心感があったことが決め手です。メーカー自体は中国の知らない会社のものです。
    LinkSymcode 58MM USB サーマルレシートプリンター (Amazon出品)
    設定自体は商品ページのクチコミに解説があったので割愛します。
    プリンタードライバーのインストールが完了したら、用紙の設定を確認します。標準のままだとレシートが3mほど出力されてしまうので、かなりガッカリします。
    プリンターを右クリック – 【プリンターのプロパティ】-【基本設定】-【用紙/品質タブ】-【詳細設定(v)】-【用紙サイズ】の項目で、『ZPrinter Paper (58 x 210mm)』を選択し、 保存しておく。
  • 【手順】実際の運用は以下の通りです ~~~~~
  • ご利用明細(お客様控え)を自店のメールアドレスに送信する
  • ご利用明細(お客様控え)をレシートプリンターに印刷する
  • レシートをお客様にお渡しする
    印刷してから用紙の加工の手間と時間が無くなりますので、当店での感じとしてはここで2~3分は短縮できています。

カード決済が完了してから、レシートをお渡しするまでの時間が、体感として5分から2分に短縮したような、そんな効果があります。この時間短縮分を、レシートプリンターの代金、約四千円弱のコストで対応できたことは満足感があります。
これが、三万円だとすると費用対効果としては微妙です。(これは個人の見解です。)

考察

どうして『Bluetooth接続のレシートプリンターを購入しなかったのか?』ですが、当方の知人で同じような計画を起こして、失敗した事例を聞いていたからです。
全ての製品でそうなのかは判りませんが、安く販売されているBluetoothプリンターは、パソコンとの接続においては動作することが見込めるのですが、PCとの接続においても印刷が安定していませんでした。さらに、スマホにインストールされている決済用アプリとの通信(印刷)においては、うまく通信・印刷ができないなどの問題が発生し、設定などを変えてもうまくいかない、そういう事象が発生してしまい、今回は安定的に印刷ができる環境にはなりませんでした。安定的な印刷環境を優先してUSB接続のものを選びました。
将来、Bluetooth接続の安定性が間違いないレベルになれば、Bluetoothレシートプリンターで置き替えることも検討してゆきます。

今回の代替案でどのくらいのコスト削減ができるかというと、純正のプリンターが32,000円程度で、代替品として購入したプリンターが3,600円ほど。約1/10 のコストで済んでいます。お客様へのサービスとして導入する設備と考えると、このくらいのコストなら満足しています。

新しく現金以外の決済方法を検討されている方へ

2019年10月から経済産業省が始める『キャッシュレス決済時の還元事業』などもあってか、中小や個人事業の方からも、こういう決済方法はどうなの?と質問を受けることが増えてきました。実際にどの決済手段を取り入れるべきなのか、大変悩むところですよね。これらの決済を自店で数年やってみて、究極的な結論としてふたつあります。

自店の作業や手間増やしたくないなら
この手の決済を増やしてみたいが、自店の手間が増えるのはあまり喜ばしくないと考える方にお勧めな方法です。
当店のお勧めは『QRコード決済のみ を導入する』方法です。
QR決済用のアプリで操作するだけで、作業と言えば金額を打ち込むだけ。レシートの発行もなく、QRによる決済のみなので、POSなどの設備導入も無し、お店側のスタッフさんの手間も最小限となります。
当店ではお客様の決済アプリを使って、『お客様に金額を入力してもらって決済までして頂く』方法なので、決済の手順を印刷した紙を一枚掲示しておくだけで大丈夫です。現金を預かってレジ処理する時間と比べてもそんなに変わりません。
キャッシュレスの流れに少しだけでも乗っかっておこうというのなら、QR決済のみを導入することをお考えください。
決済に伴う手数料もカード各社のものよりも安く、負担が軽いのも勧める理由のひとつです。

まとめると、
・決済用の端末を購入しなくて済みます。
・ご利用記録を印刷・発行する必要はなく、お客様の端末画面に記録が残ります。
・還元キャンペーンなどがあり、これらの支払い方法を採用しておくことで売り上げに貢献する要素があります。
店舗側で注意する点は、
・正しい金額で決済が行われたことと、
・決済が正常に受け付けられたことを確認するだけ。
・その場で決済の状況が確認できるよう、スマホかタブレットに管理ソフトを入れておくと、より安心。

お客様の支払い方法を増やしたいなら
やはり、カード決済なども含めて対応できる環境を導入すべきでしょう。
というのも、手持ちがなく現金以外の支払いができないか相談される場合、その多くは『カード払い』だったからです。(当店での感想です。) この場面で、『何とかペイでも大丈夫ですか?』となった場面は、この2019年の秋までの期間で言えば、まったくありませんでした。
やはり、現金決済の次は、カード決済の需要が大きいような気がしています。

理由はもう一つ。『QRコード決済』の仕組みを、多くの企業が乱立させていることもあり、将来的には淘汰されることが想像できます。また日本が主導する方法『JPQR』 も近々登場するようで、業界標準の座がどの『何とかペイ』になるのか、判らない状況です。

まとめると、
・何とかペイよりは、需要がある感じ。(当店での様子)
・カード払いの方は手間がかかる傾向がある。
・決済端末と専用プリンターのセットで導入を考えないと作業コスト増は避けられない。
・カード払いの手数料は比較的割合が高いので、薄利多売なご商売にはまったく向かない。