SSD と eMMC の違いについて解説します

SSDとeMMCは似たようなものと言う人がいますが・・・

インターネットには色々な情報が載っているので中には『ちょっとその説明はどうなの?』というものもあります。
特にスポンサーから原稿料をもらって特定の製品についての記事を書いている方の中には、かなり肩入れした記事を書いている場合もあります。ここでは主にSSDとeMMCについての違いを、HDDを交えながら解説してみます。

eMMCなので速くて快適です、という記述について

よく『eMMC搭載でウィンドウズも快適に動作します。』という表現を目にします。一瞬高性能モデルと勘違いしそうですが、これは次の文章が正解です。
『eMMC搭載なので、HDD搭載の同モデルと比べてウィンドウズが快適に動作します。』 という表現に変わります。CPUや、搭載メモリー量が同一の場合、HDD搭載モデルとeMMC搭載モデルとで動作速度を比べると、HDDよりも速くて快適ですということになります。
言い方を変えると、『HDDよりは速いけれど、SSD搭載モデルにはかないません。』 とも暗に言っています。eMMCの仕様上、SSDの性能にはかないません。僅差ではなくかなり違います。
速い順に並べると、SSD > eMMC > HDD です。それぞれの性能差ははっきりしています。

eMMCとSSDが比較されやすい理由は

HDDと違って、eMMCとSSDはメモリーに記憶する装置だからです。半導体に記憶させるという点が似ているため、似たような部品で構成されていると比較される訳です。eMMCが消費電力を少なくできる技術に長けているのに比べて、SSDは読み書きの性能を上げる方向で成長しています。

eMMC搭載モデルは『直付け』が多い

ちょっと話題から離れたことを書きます。
性能の差ではなく、長くパソコンを使うためのチェックポイントですが、平均的にはメイン基板(マザーボード)よりは、記憶装置(HDD/eMMC/SSD)の方が早く壊れる傾向があります。(経年劣化)
自動車に例えると、タイヤの溝がすり減ったので交換するというイメージに近いので、交換してパソコンを使い続ける場合が多いです。
ですが、eMMC搭載モデルの多くは、eMMCがマザーボードに直接配置されていて(直に付いている)、eMMCを取り替えることができない場合がとても多いです。
※SSDモデルでも、直付けのものが一部あります。ここでは搭載製品に対する直付けの割合でお話をします。

記憶装置が経年劣化で故障した場合でも、新品の部品に交換して使い続けたいという希望がある方は、eMMC搭載モデルは避けた方がよいのかもしれません。

eMMC搭載モデルは、廉価なモデルが多い

パソコンの性能の話しになります。
パソコンのモデルには、エントリー(廉価価格帯)、ミドル(中間層)、ハイエンド(高級モデル) とざっくりと3種類の価格ゾーンがあります。同じ製品シリーズでも、これらの価格帯に対して別々のモデルを発表・販売しています。
中でも『eMMC搭載モデルは、廉価なモデルで組み込まれるケースが多い』 そういう傾向があります。
【例を挙げると】Core i7 搭載で、メモリー 8GB、eMMC 512GB というようなモデルは聞いたことがありません。
CPUの性能が良いモデルは、それに合わせて記憶装置の性能も良いもの (= SSD)を搭載しています。
一方、eMMCは、性能はそこそこでパソコンの持続時間を長したいモデルや、販売価格を廉価に押さえたいモデルで利用されます。

総合的に言うとeMMC搭載モデルは廉価版

できるだけお値段を安く販売できるように開発された廉価版のパソコンに、eMMCは搭載されることが多いです。
新しいCPU型番であっても、おそらくは廉価ゾーンの性能を持つパソコンなので、総合的な動作速度はそんなに早くありません。簡単にインターネットを閲覧するとか、比較的軽い利用方法を想定されている方にお勧めできるパソコンです。発売年度が新しい=性能も高い などと勘違いされないよう注意してください。