リカバリーディスク、回復ドライブを作成すべき時期と方法について
けっこう間違って判断されている方が多いんです
一般的にパソコンを新しく購入したら、速やかにリカバリーディスクを作成して下さい。 とマニュアル(操作説明書)には書かれています。 (リカバリーディスクの作成機能が付いていない機種においては、回復ドライブ の作成タイミングとして読み替えて下さい。)
ここで注目して頂きたいのは、この『速やかに』というタイミング、ちゃんと意識してますか? という点です。ここでは、リカバリーディスクと回復ドライブについて、速やかのタイミング、適切な方法について詳細な解説をしてゆきます。
まずは回復ドライブ。これが何なのかを説明しますね
簡単に言うと、メーカーが『リカバリーディスク』の代わりに作成・保管してくださいと、 言い始めたもので、Windows10が登場したくらいから、リカバリーディスクを作成する手段の代わりとして利用し始められている方法です。
リカバリーディスクとの違いは、現時点で動作しているウィンドウズをベースにして作成される データであることです。現時点での最新のウィンドウズに、出荷時に添付されていたソフトやドライバーなどをセットにして記録するものを指し、ユーザーが購入後に追加・変更したソフトや、ユーザー領域のデータについては除外されます。
パソコン内の記憶装置(HDD/SSD)に用意された、専用の区画に記録されている『リカバリーデータ』をメディアに書き出します。このデータは通常のパソコン動作では、触れられない領域であり、稼働しているウィンドウズのバージョンには依存せず、メーカーが記録したリカバリーのデータとして存在します。
厳密な意味で、メーカー出荷時の状態に戻せる回復ディスクを作るには、ウィンドウズが操作可能になった直後に回復ディスクの作成をする必要がある、 ということなんです。
すごく極端な話、ウィンドウズの初回起動設定時において、アカウント設定を【オンライン・アカウント】で設定すると、その時点でインターネットにつながった状態になり、Windows Updateが自動的に動作し、ウィンドウズ自身がアップデートされてしまい、回復ディスクを作成する前に、メーカー出荷時のバージョン(組み合わせ)とは異なってしまう可能性がある、 ということがあり得ます。
【例】アウトレットや旧モデルを新品で購入した場合、元々パソコン内にあったウィンドウズのバージョンが(現行モデルとして販売されている機種と比べて)古い場合があり、初回設定が完了したあと、間もないタイミングでウィンドウズの更新、さらには大規模更新が行われてしまう可能性が高いということです。パソコンの設定が済んで、少しインターネットを閲覧していたら、実は水面下でアップデートが行われていて『修正を完了するには再起動が必要です。』なんて画面が出てしまった方はこういうケースです。
なせ購入直後の状態に戻せることが重要なのか?
回復ドライブを使う時は、ほとんどの場合、メーカー出荷時の状態に戻すことで問題が解決させることが目的か、不具合の箇所を特定するためにメーカー出荷時の状態に戻してみるという目的のいずれかになります。
初期状態に戻す=メーカー出荷時の条件に戻す、このことがとても重要になります。
例えば、パソコンを購入後、3年経ってから回復ドライブを作成した人が、3年と3カ月(回復ドライブを作成して3カ月)経過時に何らかのトラブルに遭遇し、メーカーサポートなどと話しをした結果、いったん購入時の状態に戻して問題が解決するか確認してみましょう、となった場合に3年3カ月前の購入時の状態には戻せないということになります(3カ月前になら戻せる)。この問題の原因が3カ月以上前から起こっていた場合は、症状が出る前の状況には戻せない ということになります。
メーカーさんも、明らかなハードウェア・部品の故障だと判断できない事象の場合、『リカバリーしてみて、症状が解消するか確認してみて頂けますか?』とリカバリー相当の作業をしてみるよう提案をしてくることが多いです。後述のリカバリーディスクとは条件が異なりますので、注意が必要です。
ちなみに、メーカーさんがリカバリーメディアキットを再販売しているところならば、こういうキットを購入し、本当の意味で購入時の状態に戻して確認をしたりもできます。
きっちりとメーカー出荷時のタイミングで回復ドライブを作るには
以下のような手順がお勧めです。
・パソコンを購入したら、初回起動設定を開始する。
・インターネットにはつながないことがポイント!
・ウィンドウズの初回設定中は、インターネットに接続しない。
※Windows 11 Homeのように、インターネットにつながないと初期設定ができないモデルに関しては、設定が済んだ直後にインターネット環境から切り離すなどの処置をしておくと良いです。
・あえてオフライン・アカウント(ローカルアカウント)でユーザーアカウントを作成する。
・ウィンドウズが操作できるようになったら、すかさず『回復ドライブ』を作成する。
※回復ドライブの作成には時間がかかります。また作業手順などはメーカーの取扱説明書を見ながら行ってください。作業途中で選択肢があります。
→ 他にも→ 当店サイト内で『回復ドライブ』を🔍検索 関連しそうな記事が見られます。
これらが全部終わったら、インターネットに接続して、ウィンドウズの更新をする。
アカウントが、オンラインアカウント(マイクロソフト・アカウント)の方が良いのならば、ここでアカウントの変更を実施し、オンラインアカウントに変更する。
この手順が、言葉通りの『メーカー出荷時の状態に戻せる、回復ドライブ』ということになります。
回復ドライブの特徴をまとめると
・現在動作しているウィンドウズを土台にして、作成する回復用(リカバリー用)のデータである。
・作成した時期によって、どの時点の(どのバージョンの)ウィンドウズに戻るかが変わってしまう。
・リカバリーディスクで言う、メーカー出荷時の状態に戻すことが重要な場合は、購入直後に回復ドライブを作成する必要がある。
以上を意識して、回復ドライブをうまく活用してください。
次にリカバリーディスク。比較的歴史の長い方法です
メーカーによっては、『再セットアップディスク』なんて呼ばれる場合がありますが、『リカバリーディスク』の方が皆さんが知っている名称だと思います。メーカー出荷時の状態に戻す方法として、長く利用されてきました。最近では、この機能を省いて、前述の『回復ドライブ』で代替するメーカーやモデルが増えてきています。
『リカバリーディスク』が作成できるモデルなら、迷わず作っておいた方がいいと思います。
きっちりとメーカー出荷時のタイミングでリカバリーディスクを作るには
リカバリーディスクは、リカバリーディスク作成ソフトウェアが介在するので、このソフトウェア自身についても配慮が必要です。
・パソコンを購入したら、初回起動設定を行います。
・インターネット環境にはつないでも大丈夫です。
・アカウントを作成します。オンラインでもオフラインでもどちらでもかまいません。
・パソコンが通常の操作ができるようになったら、リカバリーディスク作成の準備を始めます。
※ リカバリーディスク作成途中でウィンドウズの更新によって作業が中断されないよう、一時的にインターネットとの接続は切っておいた方が良いかもしれません。
・リカバリーディスクを作成するソフトウェアが最初からインストールされているモデルと、後から別途インストールしなければいけないモデルとがあります。東芝さんのモデルの一部にそういうタイブが多かった記憶があります。インストールされていなければ、インストールしましょう。
・NEC/富士通/VAIO/DELLなどのように、ウィンドウズ以外のソフトウェア、特にメーカー自身が添付させているソフトウェアに対する修正プログラムを配布する仕組みがあります。対象のモデルの場合、画面の右下のアイコンが沢山あるところに、該当するソフトウェアがあるはずです。
それらを起動させ、リカバリーディスクを作成するソフトウェア自身に修正がかかっていないか確かめましょう。
VAIOとかDELLとか、リカバリー作成機能に対する修正が多い印象があります。
※ この修正をかけないままに、リカバリーディスクを作成してしまうと、作成したリカバリーディスクがうまく利用できないトラブルも起こります。
メーカーによっては、このような自動で更新差分をお知らせしてくれる機能が搭載されていないモデルもあります。その場合は、自身でメーカーのウェブページを探索し、該当する修正プログラムが発表されていないか確認する必要があります。
リカバリーディスク作成前には、このような修正が予め発表・提供されていないか確認しておいてください。
・リカバリーディスクを作成します。DVDやBlu-rayを用いた方法や、USBメモリーを用いた方法があり、それらを選択できるタイプや、いずれかを指定してくるタイプのものもあります。作業時間は数時間かかりますし、途中では止められませんので、注意が必要です。
リカバリーディスクの特徴をまとめると
・購入直後に作成しておくのは、回復ドライブと同様に重要なこと。
・リカバリーディスク作成ソフト自身に修正がかかっている可能性があるので、事前にチェックが必要。
・作業途中でウィンドウズの更新が始まったり、それに伴う再起動などが行われないよう、一時的にネットめの接続を止めておく。
リカバリーディスクについての追伸
リカバリーディスクを作成するための元となるデータは、パソコンのHDD/SSDに記録されていて、別管理となっているので、リカバリーディスクの作成自体を先送りしてもいいのではないか?と思われている方が多いように当店スタッフか感じています。
このリカバリーディスクの元となるデータが、HDD/SSDに記録されていることが問題で、ハードウェアの故障や、ウィルスの感染などにより、その元データが破壊・改変されてしまうリスクが意外に高いため、できるだけ早いタイミングでリカバリーディスクを作成することを推奨しています。
このリカバリーディスクをメーカーさんから再度購入する場合、かなり高額な費用が発生する(15000円くらいします。)ので、そういう意味でも事前に確実に作成しておくことをお勧めします。
当店ではこのようなメディア作成代行サービスを行っています
リカバリーディスクが必要なことも理解したが、自分自身ではできそうもない、時間がなくて誰かに代わりに作業してほしい、そういうお客様向けに『作成代行サービス』を実施しています。ご来店・お持ち込み限定となりますが、店舗にて受け付けしております。