膨張したバッテリーを廃棄する方法・保管方法など

膨らんでいるバッテリーをどうするか?

我々の周りには沢山のバッテリーが存在します。
ノートパソコンのバッテリー、カメラなどのバッテリー、携帯型製品、充電用バッテリーなど多岐に渡ります。これらのバッテリー、不要になった時どのように処分したらいいか?
意外と知らない方が多いので、ここで情報としてまとめてみたいと思います。

トピックス

2024.04 自治体・札幌市の取り組みで、市と家電販売店が協力して膨張しているバッテリーでも回収できる仕組みを導入したという情報がありました。全国に広がる取り組みになってほしいと願っています。
膨張バッテリーの廃棄をお考えの方は、上記と同じような取り組みを始めていないか、お住まいの地域の自治体に問い合わせてみるのも手ですね。

バッテリーの危険性

バッテリーが故障した時の特徴に、『外観の変形』があります。
いわゆるバッテリーの膨らみという症状が有名ですね。
バッテリー自身の不具合としてでなく、パソコンの外装の変形や、キーボードや、パッド部分の盛り上がりなどの症状で発覚する場合もあります。

バッテリーは種類によって発生しやすい症状が違いますが、最近の製品の多くは、ガスの発生に伴って膨張したり、発煙・発火の症状、さらには爆発という症状まであります。外観が変形しているものの多くはこういう症状の前段階であり、これらの症状が発生してもおかしくない、大変危険な状態であると言えます。

速やかに廃棄することは絶対必要ですが、廃棄するまでの間、安全な方法で保管することも同じくらい大切です。

自分のところで保管する場合

バッテリーの廃棄をお願いするまで手元で保管しなければならない場合は、下記のような保管方法を推奨します。
目的は屋内保管時に発火などによる火災を防止するためです。
取り出し方法 – ノートパソコンの場合
✅ パソコンから、バッテリーを取り外す。
丁寧に慎重に取り外してください。マイナスドライバーなどで無理に分離させるとバッテリーの外観に損傷を与えてしまう場合があります。
作業に自信がない場合は、パソコン修理店などに依頼して下さい。
✅ 両面テープで貼ってあるバッテリーは、剥がすときに曲げないこと!

保管方法 – 基本編
✅ ビニール袋などに入れて、水分がかからないよう包む。ジップロックなどの密閉式袋だとなお安心。
屋外で 金属製のバケツなど(燃えにくい物)に入れる。
→ お菓子の空き缶などに入れておくのも良いアイデアですね。
✅ 建物から離れたところ、ベランダのコンクリートの上とか庭の端の方とかに保管しておく。

保管方法 – 応用編
✅ 可能ならば、土や砂などをかけて バッテリーを覆う。
✅ 最近では『セーフティーバック』という発火・爆発の被害を抑える専用のバックが販売されていますので、これを利用して保管するのも手です。

廃棄までの間の保管方法としてここまでやって頂ければ完璧です。
最低でも、
* 自宅内ではなく屋外で
* 雨露がかからない、濡れない場所で
* 発火した際に酸素が届かない密閉容器に入れて
保管しておきましょう。

バッテリーの廃棄に対応しているところ

基本的な仕組み
バッテリー類を販売しているメーカーは、回収作業を行う団体に協賛していて、その対象となっているメーカーのバッテリーなら下記のような団体に依頼すれば引き取ってもらえます。
やっかいなのは『海外の無名な製品』です。基本的にこのような取り組みには協賛していませんので、そういうメーカーのバッテリーは回収の仕組みには含まれていません。どのような方法で回収してもらえるのか、自力で調べてお願いすることになります。無償回収の手段が見つからなかった場合は、有償で回収業者さんなどに引き取って頂く必要も出るでしょう。地元のクリーンセンターなどに相談してみる価値はありますが、危険物扱いなのでどのような対応をしてもらえるかは未知数です。

これを機会に、どこのメーカーかわからないバッテリー製品(通販などの知らないメーカーのもの)を敬遠する考え方も必要かもしれません。もしくは事前にこういった団体に加盟しているかどうか調べてから購入するということも必要です。

日本国内の名のしれたメーカーであれば以下の団体で回収をして頂ける可能性が高いです。
小型充電式電池のリサイクルを行っているLink一般社団法人 JBRC という団体でバッテリーの回収を行っています。この団体に参加する店舗でも回収を行っています。一般的には地元の家電量販店や電器店、一部の自治体などです。

お近くの回収可能なお店や組織を探すには、こちらのページから、
Link『協力店・協力自治体』の検索 をクリックして、都道府県名、市町村名を選んでください。

外観に変化の無いバッテリーの場合

上記の『協力店・協力自治体』に持ち込むことで対応して頂けることが多いですが、必ずではありません。各店舗にお伺いして確認をお願い致します。
協力店の多くは、店舗のすみに回収ボックスを設置しているところが多いので、許可を得たのちに、こちらにポストする形になります。
バッテリーの故障の中でも、経年劣化など外観に変化がなく、ただ単に充電の能力が下がってしまった製品については、こちらの方法で処分が可能です。こちらの場合は危険性が低いので、パソコン自体をリサイクルする際に一緒に出すでも大丈夫かもしれません。手元から急いで放す必要性はあまり高くありません。

膨張しているバッテリーの場合

外観に膨張などがあるバッテリーの場合は注意が必要です。
設置店に行って、勝手に回収ボックスに入れてくるのではなく、必ず、お店の方に『膨張しているバッテリーである』ことを伝えましょう。 そして、お店の方の指示に従って処置を依頼してください。

先程説明したように、膨張したバッテリーは衝撃などを加えると、最悪の場合爆発することもありますので、回収ボックスに放り込むことで危険な場面を作り出すことになります。

バッテリーの引き取り基準については、見直される場合がありますので、JBRCのページや、実際の協力店に聞いて、その指示に従ってください。

バッテリーの廃棄と保管で大事なポイント

大事なことなので、最後にまとめます。

✅ 膨らんでいるバッテリーは危険のサイン。
✅ そのまま使い続けない、早く外して屋外で管理する。
✅ できるだけ早くJBRCの活動に参加するお店で回収してもらう。
🔴 回収してもらえないバッテリーは費用を支払ってでも個人負担で処分する。
✅ 回収ボックスに入れる前に、お店の方に『膨張しているバッテリー』だと伝え、指示に従う。
✅ 通常のバッテリーのように、黙ってボックスに入れてこないこと。

相談する順番としては

✅ 地元の家電販売店・量販店
→ あなたが処分しようとしている製品を扱っている店舗が適切です。
✅ 実際に購入した販売店、メーカー窓口
✅ JBRCに参加する企業・店舗
✅ 自治体のゴミ処理・リサイクル/資源担当の部署

この順番である程度情報は集まりますし、だいたいのものはこのどこかで回収して頂ける感じがしています。

引き取ってもらえなかった場合は

一般廃棄物として引き取ってもらうか、バッテリーを販売していたメーカーに事情を説明して引き取ってもらうか、のいずれかになります。海外の無名なメーカーは対応してもらえない場合が多いそうですが、バッテリーとして有名なところは受け付けしているところがあるそうなので、そういう点も確認して、アフターフォローまでしっかりしているバッテリー製品(メーカー)を選びたいところです。

お近くにこれらの店舗さんがない場合は、地方自治体のゴミ処理関連の施設に相談すると、何か情報が得られることがあるかもしれません。各自治体のゴミ処理・資源回収/再資源化の部署に相談してみてください。