ウェブサイトの作成を依頼したり、SEO対策を頼む時に考える事
激動の時代を生き抜くには知識と智恵が必要です
今は2022年の2月。コロナの存在が認知されて約2年が経過した現在、医療従事者の方たちを始め、色々な方たちが日々懸命に医療サービスなどを提供して下さっているおかげで、何とか今日を生きているという現状があります。日々の経済活動に目を向けると、売上が落ち込んだり、営業自体を縮小するよう依頼がきたりと大変な状況で活動されている事業者の方たちがいます。
そんな中、新しい活動を模索する事業者の方たちに向けて、インターネットやITの技術を応用して、現状を打破しませんか?と色々な取り組みについて営業活動が行われています。これらの提案は、昔も今も玉石混合で、簡単に善し悪しが見分けられないことから、騙されたり、事業者さまが不利な条件で契約させられたりする事例が多くなるタイミングでもあります。
当店の業務内容にはこれらのサービスは含まれておりませんが、お客様から受けるトラブルのご相談を通して、ある程度は『だましのパターン』のようなノウハウを持っています。2022年になってこの手のご相談が増えてきている感触があります。全ての事例を網羅することは難しいかもしれませんが、できる限りの事柄について情報をまとめたいと思います。
まさに今、この手の提案を受けて検討をされている方々の参考になれば幸いです。
目次
良い製作会社は、電話営業をしないことが多い
当店で集めた情報からの印象だと、あまり良くない会社とトラブルになる最初のきっかけは『電話営業』であることが多いように思います。(電子メールによる営業活動も含みます。)
始めにこの章の結論を書きますが、電話営業をかけてくる企業さんは、お仕事がないのでかけてくる訳で、あまり人気のない企業である 可能性が高い、ということです。
我々もそんなに多くの会社とおつきあいがある訳でありませんが、一般的に言う、ウェブサイト製作会社、コンサルティング会社、名称は色々ありますが、事業者さまに必要なものを分析し、ITやインターネットの技術を駆使してお客様のご商売をより便利にしたり、効果的・効率的な仕組みを提供したり、というジャンルにある企業様の多くは、自社のお客様からのご紹介で別のお客様が増えていく傾向が強く、広告や電話営業をあまりしていない傾向があるようです。
肝に銘じてほしいのは、
あなたが現状を打破しようと悩んでいる時に、偶然電話が鳴り、その提案内容がまさにあなたが欲していたアイデアだった! そんな映画のような出来事は、ほとんど起こりません。ある会社が営業電話をかけまくって、あなたの電話が鳴ったという可能性の方がはるかに高いです。
検索エンジンの順位は、そう簡単に変化しない
Googleに代表される検索エンジンが提供するのは、価値のある情報の優劣です。その有意義な情報(検索結果)を見せる代わりに広告を表示して、お客様に見ていただくのがGoogle社のビジネスとなっています。
ここが検索エンジンの基本。価値のある情報の優劣を決める仕組みそのものが、Googleの生命線であるということ。
一般的な語句のみで検索をした時に、最近作ったばかりウェブサイトが、その検索結果の上位に食い込んでくることは『黒魔術』でしかありません。
身近なもので例えると、にんにく注射やドーピングのような操作をすれば、ひょっとしたら、そのような(検索上位に食い込んでくるような)効果が得られるかもしれませんが、それはいずれバレます。検索エンジンもそのような裏技のような仕組みが長期間効かないように対策をしてきます。検索エンジンが判断する『情報の価値』という判定は、かなり熟慮された仕組みであり、一朝一夕には操作できないものだと思っています。
ある程度のコストをかければ実現できますよと謳う事業者のセールストークは、にんにく注射的なものである可能性が高いです。そもそもの提案が『黒魔術』的な事が中心であった場合、ご自身が信頼する方たちと情報を共有して、『魔法』に感化されないよう注意して話を進めるようにしてください。
サイトの情報を吟味し、検索エンジンに有意義だと認めてもらえるような取り組みを真剣に提案してくる会社さんを選ぶようにすれば、悪い会社の提案にひっかかる確率はかなり減ると思います。 サイトを作ったら、すぐに検索上位にばばーんと表示されたら良いなぁ、という気持ちは判らなくもないですが、まず難しいことだと思います。
製作完了後、誰が維持・管理するのかを最初に考える
次の項目でも説明しますが、CMSの利点のひとつに、ページの追加や更新作業が比較的簡単だというメリットが挙げられ、ウェブサイトを納品した後で発注者自身で作業ができる → 製作会社に修正にかかる手数料が生じない → 維持管理費用の節約になる、という観点から導入を検討されることが多いようです。
これが正解かどうかは、実際に作業される方のスキルに左右されます。
ウェブサイトなどの製作を依頼する場合、ウェブサイトが完成した後の、加筆・修正・変更などの作業を誰が行うのか?を早い段階で決めておく必要があります。比較的簡単に修正ができるシステムになっていて・・・ というセールストークは、ウェブデザイナーさんなど専門職の方から見たときに簡単だと言っているだけで、誰にでも簡単という意味ではありません。 実際にはhtmlタグの知識や、ブロックという概念の理解がないと、加筆・修正は行えないレベルです。
ウェブサイトを持つことを考えたときに『よしっ!これをきっかけにパソコンの勉強をしてウェブサイトをばりばり更新するぞ~』とやる気が出てしまうこともありますが、本当にやり切れるのか自問自答してください。
CMSを含むシステムの維持・管理は、我々IT関連のスタッフから見ても、手間がかかる大変なものです。
大風呂敷を広げずに、完成後の加筆・修正は業者さんにお願いするという前提にできるならば、単純なウェブページで構成し、数個のファイルでまとめてもらう事も検討してください。トップページを含めて3~5ページ程度の規模で、レスポンシブ対応だけしてもらえば、CMS (WordPress) なんて大きな仕組みは不要かもしれませんよ。
ブログ機能が必要なら、外部のブログサービスを併用すればいいだけです。何でもひとつのドメインで実現しようとすると、どうしても案件が大きくなりがちです。
CMS(WordPress)は曲者(くせもの)
最近、ウェブサイトを作成することと、CMS(WordPress)を導入して構築することの区別がつかず、『最近ウェブサイトは、CMSを導入して製作するものらしいよ!』と思っている方が多いように感じます。CMSを利用しなくても、ウェブサイトは作成できます。
たとえ話をすると、自分は電話(通話)しかしないのでガラケーで十分なのに、周りの皆がスマホを使っているからとスマートフォンを購入してしまい、使い方が判らず、気づかないうちにウィルスに感染させてしまって、スマートフォンをダメにしてしまった、みたいな顛末に似ています。
昔ながらのhtmlとcssで構成されるシンプルなウェブサイトで十分な場合は、CMSを導入してしまうことで、CMSを導入することにより生じる新たなリスクに対応できず、自社のウェブサイトに不正アクセスされてしまったり、サイトの内容を改竄されてしまったりという被害に遭うというのが、ガラケーとスマホの例えに似ています。
CMSは、ものすごく多機能である反面、システムが複雑であること、常にインターネット上で動作しているシステムであること、四六時中、不正アクセスなどの攻撃に遭いやすいデメリットが共存しています。
CMSは、ウェブサイト構築の依頼としては、内容が増え大きな案件(費用)になりがちです。またCMS特有のセキュリティーリスクもあって、ベストな提案とは言いにくいシステムです。
昨今の流行は、製作コスト削減のためにフレームワークなどの仕組みは活用するものの、汎用的なCMS上には構築しないという流れに向かっていると聞いています。
お客様が希望するものが、どの規模で、どの手段で実現されるのがベストなのか、そういうところを丁寧に説明してくれる企業と話をすることが大事です。
よく聞く話では、(先のCMSのような)自分たちが期待していたものよりも、大げさなシステムで納品されてしまい、納品後のメンテナンスがやり切れず、結局製作してもらった会社に維持・管理を外部委託することになり、納品後の維持/管理コストが増えたことに悩まされているという相談も多いです。
正直な話、会社情報(屋号・住所・電話番号など)、製品・サービスの紹介、アクセス方法、お問い合わせフォームなどの簡単なウェブサイトなら、CMSを導入しない仕組みの方が初期費用も維持管理費用もずっと抑えられるはずです。ウェブサイトの更新頻度が年に一回~あっても数回程度でしたら、昔ながらのhtml と css で構成されたデータをftpする方式の方が堅牢でトラブルに強いです。
CMS特有の脆弱性による不正なアクセスに怯えたり、システムやデータベースの破損に備えてバックアップしたりするメンテナンス費用と、後になって判る維持管理コストの心配から開放されます。
CMS以外の選択肢を提示しない企業は要注意
この件に関連して、お客様が希望されるウェブサイトの規模がそんなに大きくない場合に、CMS以外の実現手段を提案してこない場合は要注意だと思います。『なんで?』って思った方は、検索してみてください。
長くなる話なので省きますが、色々と知識が増えるはずです。
かかる費用は絶対に比較して
製作費用、維持管理費用、申請代行費用など色々な名目の費用がありますが、それは企業によって異なります。
絶対に比較してください。『相場はだいたい同じですよー』という言葉は信じちゃダメです。
個人的には、修正/維持管理コストのような毎月・毎年かかる費用が、サービスの内容に対して割高という企業さんに要注意ですかね。
初期費用がものすごく安く、維持・管理手数料がやたらと高いという企業さんを見たことがあります。
ハンコ押してから騒いでもダメ
契約前にちゃんと確認せず、契約後に『そんなこと聞いてない!』みたいなトラブルに発展するパターンを良く聞きます。この手のトラブルが発展し、解約する・しないの話に発展すると、あなたの会社のウェブサイト(データやドメイン、サーバなど)が実質的に人質のような感じになる場合が多いので、慎重に検討して下さいね。担当してくれた営業の方が良い人そうだったから・・・我々がこの手の相談を受ける際によく聞く、危険なフレーズです。 世の中の営業さんを敵に回すつもりはないですが、営業という職種の人は、良い人・悪い人に関係なく人当たりが良いのは当たり前です。
契約の内容を精査するのはウェブサイトとかITとか関係なく、基本中の基本です。
そういう意味では、ちゃんとした契約書を持ってこないところとは契約しない、というのもチェック項目かもしれません。(口頭契約なら言った、言わないでうやむやにできるし、ITの知識は相手の方がずっと上なので)
ご自身で探さず紹介してもらう方法を推奨
色々なことを書きましたが、導入を検討されている方があまりパソコンやインターネットに詳しくない場合、営業担当と対等に交渉することは正直難しいと思います。極端な話、今回出会った業者さんが良い会社の人か、悪い会社の人かで、ほぼ勝負が決まっていると言っても過言ではない状況です。
もし、ご同業の方や、取引先、所属している組合などでこのようなウェブサイト製作会社さんなどをお使いの方がいらっしゃれば、情報収集をしたり、良さそうな業者さんだったら、紹介してもらったりすることも検討された方がいいと思います。
即断即決を避けて、慎重に検討してみてください。
あなたの希望を真摯に聞き、適切な規模と手段で提案をしてくれる企業は必ずあります。
コロナに負けるな!
コロナで弱っている時に、つけ込んでくる業者に負けるな!
これを合い言葉に、この記事を作成しました。