スマホやタブレットを水没させた時の対処方法とやってはいけない事
パソコンに関連して良く聞かれる内容です
当店では、スマホ/タブレットの修理を行っていないので、当店でこれらの対処はしていないのですが、パソコン修理やご相談を受ける中でスマホに関する相談を受けることがよくあります。
その中でも筆頭が
『スマホを濡らしてしまった時、どうするのが正解ですか?』
『スマホを水没させてしまった時、どうしたら良かったんですか?』
これら、水没関連の相談です。記事をお読みになって、実際にそういう場面に遭遇した時の参考にしてください。
ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。
目次
水没、発生直後の対処
教科書的な解説をすると、(1)できるだけ早くスマホの電源を切り、(2)水気を拭き取り、(3)取り外せるものは全て取り外し、(4)スマホを安全な方法で乾かす、という表現になります。
覚悟をして、最善を尽くす
現実的な話をすると、水没時にかぶった水分量や浸ってしまった液体の種類によっては、『スマホ本体はあきらめないと、いけないかもな』と覚悟する必要もあります。水没の程度によってはスマホ本体まで全てを無事に助ける方法が『すでに無い』場合もありますので、こういうアクシデントに遭った場合は、ある程度の被害は覚悟し、できるだけ早く復活できるよう最善を尽く考えに切り替えるスピード感が必要になってきます。
とにかく最低ラインで守るべきものは、SIMカード と microSDカード です。
※機種によっては、microSDカードは含まれないものもあります。
水没被害で最悪なシナリオを考えたとき、SIMカードさえ無事で救出できれば、速やかに代わりのスマホ本体を用意すれば、すぐに自分の電話番号による発着信や、二段階認証(多要素認証)などで使われるSMS送受信が復活できます。
SIMカード SDカードの取り扱い
金色の端子部分は静電気に弱いので、できるだけ素手で触らないよう注意してください。
濡れていたり汚れていたら、すばやく拭き取って保管しておいてください。
スマホから取り出したときに、どの程度被害を受けていたか(濡れていた、汚れていた)状況を把握しておいて下さい。SIMカード や SDカードが壊れていた場合に、カード再発行やデータ復旧の依頼をする際に状況を把握する目的で聞かれる情報となります。
あとで確認できることは、後回しにする
アプリに由来するデータ、例えばLINEのデータ、写真データなど、クラウドにバックアップがされていなかったデータ(スマホ本体に記録していたデータ)は、この時点であきらめないといけなくなる覚悟が必要になります。全ての対処を行って、スマホが無事に回復することを願うしかありません。
アプリのデータが心配で、すぐに電源を入れてしまう方が多いですが、これは悪手です。
まずは、スマホ本体が復活する可能性を少しでも高めるよう、集中して作業してください。
水没直後に実施すべきこと、やってはいけない事
実施する順番は、電源が最初はあとは好きな順番で。全体の作業時間はできるだけ早く処置すること。
実施すべき!スマホの電源を切る。(電源ボタン長押しで対処)
実施すべき!水気を拭き取る。
→ 静かに、吸収の良いもので拭き取ります。キッチンペーパーなど。
実施すべき!SIMカード・microSDカードを取り外す。
→ カードの装着部分が防水機構になっている場合は、水気を取る作業を優先しても良いです。
・SIMカードが壊れると、あなたの電話番号と通信会社の契約情報が飛ぶので、SIMカードが再発行されるまで一切の通話・SMS・データ通信契約による通信ができなくなります。
最近の機種では、分解して取り外せるものが少なくなりましたが、もしバッテリー自身を取り外せる機構になっていた場合は、速い段階でバッテリーを外してください。(※専用の裏ふたなどが無く、分解の難易度が高い場合は無理に分解をしないでください。分解に失敗してより事態を複雑にします。)
やっちゃダメ!濡れたままスマホを操作し続ける。
→ 濡れた具合によっては故障のリスクが高くなるのでお勧めしませんが、最終的には操作されている持ち主の責任においての判断になります。例外的に水分量が二・三滴のレベルなら、ティッシュで拭き取って終了というパターンもあります。
やっちゃダメ!スマホを振り回して水気を取ろうとする動作。
やっちゃダメ!ドライヤーなどで乾かそうとする。
コタツの中でとか、ヒーターの前に置いてとか、そういうのも全部ダメです。外から温めて乾かす方法はだいたいが悪手です。水分を早く取り去って、早くスマホの電源を入れたい気持ちは判りますが、結果的にスマホ故障の可能性が上がってしまいます。
やっちゃダメ!乾かしながら充電しちゃダメ
→ 電源を入れなければいいと、せめて充電だけは・・・と思う方がいますが、充電する作業もほぼスマホは稼働している状況で危険です。
水没後のメンテナンス
ある程度、初期の対応が終わったら、スマホが無事で戻ってくることを祈って、メンテナンスしましょう。作業の基本は、水気を取って、湿気を取って、スマホを乾燥させること。
スマホ復活の可能性を上げるためにメンテを行う
実施すべき!拭き取れる水気は、拭き取る。
実施すべき!あとは自然に乾かす。
→ よく言われていて効果のある方法は、ジップロックなどの密閉できる袋に、濡れてしまったスマホと(おせんべいなどの袋に入っている)乾燥剤を小袋のままバラさず一緒に入れて、しばらく置いておく方法は安全で確実に湿気を取ります。
※乾燥剤を流用する場合は、付着しているお菓子のかすなどは予め除去しておいてください。乾燥剤の袋は破かずにそのまま利用してください。
実施すべき!スマホから異臭がしないか確認。
スマホ本体から、焦げたような臭いがしていないか?今まで嗅いだことのない変な臭いがしないか?確認しておいてください。※濡れた水分自体の臭いは除きます。
この時点で、該当する臭いがあった場合は、かなりの確率でスマホは故障しています。
予備の環境があれば、SIMとSDの確認を
予備のスマホがあれば、SIMカードが正しく利用できるか確認しておくと良いです。
このカードが水没で壊れていた場合、SIMカードの再発行には時間がかかるので、できるだけ早くに再発行の手続きをしなければなりません。
また、SDカードについても、パソコンなどでデータが読み取れるかどうかの確認をしておくと今後の予定が立てやすいです。(データが読み取れるなら一安心ですし、もし必要なデータがSDに保存されていなければ、スマホ本体から救出する必要が生じてくるため。
クラウドサービスに保管されているデータの確認
そのスマホを利用されている方の設定次第ではありますが、スマホの多くはクラウドサービスを利用してデータの保存がされている場合があります。【例】iCloud/Google Drive/Google Photo
パソコンなど他の機材をお持ちでしたらクラウドサービスの自分の領域に、必要なデータが格納されているか否かの確認をしておくと良いです。
もし必要なデータが、どこにも残っていない場合は、スマホ本体の本体メモリー内に格納されていることも考えなければいけないので、以降の作業でスマホが無事動作するか否かの確認が重要になってきます。
余裕があったらやっておくこと
緊急の水分好き取り作業や、メンテナンス(乾燥作業)が終わったら、以下のことにも気を配っておきましょう。
現在、あなたのスマホはまったく通信できない状況ですので、この時間帯に連絡を取り合う可能性がある方、例えば家族の方とかに『スマホが壊れていて通話できない』旨を他の方法で伝えておきましょう。こういう時に限って、だれかから急ぎの連絡が来ていて『おかしい、電話がかからない』と大騒ぎになることがあります。
乾いたあとで行う作業
※ スマホの修理も視野に入れている場合は、電源を入れる前にお近くの『スマホ修理事業者』に相談すべきです。どんな水濡れでも乾かせば直る訳ではなく、無事に動作する方が珍しい位のトラブルです。ここでは修理業者さんに頼らず最後まで自分自身で対処するという方に向けて、情報を記しています。水没時の水分量によっても変わりますが、通常一晩くらいの乾燥作業が必要です。
これはご自身の判断になりますので、当店にご連絡いただいても回答はできませんが『よし、これくらい乾けば大丈夫かな』というところまで来たら、電源を入れてみましょう。
最初に電源を入れる時は、SIMカードは抜きで
スマホが正しく動作するか判らない時点では、予め抜いてあるSIMカード や microSDカードは、挿さずにスマホ本体だけで、電源が入るか、OSが起動し、操作ができるか、を確認してください。
うまく動きそうなら、いったん電源を落として、全てのカードをセットし直して、もう一度電源を入れてください。
無事動作したら、すぐにバックアップを
★ この最後の作業を行わない方がとても多いので目立つ表記にします。
スマホの電源が入り、無事に動作したからと言ってここで作業を終えてはいけません。
この時点では、スマホの電源が入った = スマホに被害は無かった という確証ではないからです。
経験上、スマホが水没によるダメージを受けていても乾燥後に数回起動してしまう事例があります。
スマホが起動したら、まずはご自身の大事なデータを確保(データ救出)する行動に移行してください。
前の行程で、SDカードにも、クラウドにも残っていないデータがある場合は、スマホ本体にだけ記録されているデータがある可能性が高いので、このタイミングでいずれかの作業を実施してください。
・外部のメモリーにコピーする。
・クラウドにバックアップする。
など、スマホ以外の場所にデータの【写し】を作成することを強く意識してください。
スマホが無事動作した → これがゴールではありません
スマホの中にあるデータを、全て外部にバックアップし終わったタイミングが本当のゴールです。
水濡れトラブルの場合、あとから時間差でスマホ本体が故障する事例も沢山あります。こういった事情もあって、この最後の作業行程はものすごく大事です。この記事の最大のポイントと言っても過言ではありません。