Microsoft Office 2021 インストールできたけれど、ライセンス認証ができない

じっくり考えると腑に落ちない事象

検索すると沢山出てくる『ライセンス認証時にエラーが発生しました』という類いとはちょっと違う事例なのですが、当店スタッフの間でも、その手順だと同じ被害に遭う方が多くなるかもしれないという印象だったので、ひとつの事例として記録を作成します。Windows 11をきっかけに、初めてマイクロソフトアカウントを作成したという方にはぜひご一読頂きたい情報です。

おおまかな状況

不手際も関係する話ではありますので『100% Microsoftが悪い』と書くつもりはありません。Windows OSは、さまざまな習熟度の方がより安全・安心に利用して頂けることも目標にされていると思うので、こういう『罠のような手順』は改めた方がいいですよ、という提案です。今回の事例では、購入製品登録時の手順(紐付け)と、インストール後の認証手順の違いについてMicrosoft側で改善すべき問題じゃないか?という結論を抱いています。カンタンに書くとライセンス認証時に認証が完了できない問題であり、購入したソフトがすぐに利用できない問題です。

製品とソフトウェア

状況 1.
パソコンは、Windows 11 Homeが標準で搭載されていたパソコン。パソコンの初期設定は済んでおり、マイクロソフト・アカウントによるサインイン設定 (アカウント設定)と、PINコードを追加してPIN でサインインできる環境になっていました。

追加するソフトウェア

状況 2.
このパソコンには、Microsoft Officeが搭載されておらず、(他社のオフィス系製品は入っていた。)今回、Microsoft Office製品を追加導入したい希望があり、永続版のオフィス製品を入手されました。購入品は永続版の Microsoft Office 2021 です。(Personal or Home&Business)

ソフトのインストール

オフィス製品は、購入したプロダクトキー情報をマイクロソフトアカウントに紐付けてからインストールという流れになりますので、まずは www.office.com/setup/ でサインインののちに、Office のプロダクトコードを入力し、マイクロソフトアカウントに製品(資産)を紐付けします。このときに確認されたのは、
・マイクロソフトアカウント (ID)
PINコード
でサインイン確認が行われました。注目ポイント!
マイクロソフトアカウントのウェブサイトが開き、今登録した製品 (Microsoft Office 2021)がリストに増え、その項目から『ダウンロード』を選択し、インストールが開始しました。
インストール処理は順調に進み、『インストールが完了しました。』と表示され初回起動確認に進みます。

初回の起動と最終確認

Word でも Excel でも、増えたアイコンをクリックして、Officeが正しく動作するかの確認となります。実際にWordを起動すると、ライセンス認証の画面が表示されます。
マイクロソフトアカウントでのサインインを求める別ウィンドウが表示され、今回は以下のような情報を求められます。
・マイクロソフトアカウント (ID)
マイクロソフトアカウントのパスワード
そうです。ここで初めて『マイクロソフトアカウントのパスワード』を求められます。PINではないところに注目です。注目ポイント!

当事者(利用者)はここで大事な事に気づきます。自分がマイクロソフトアカウントのパスワードだと思っていた情報は、パスワードではなくPINコードであり、パスワードは失念してしまっていた、という点。

やみくもにパスワードを入力しても、今度は不正アクセスを疑われるだけなので、ここでは、パスワードが入力(チャレンジ)をやめ、暫定的に7日間のお試し機能を有効にしてオフィス製品の初回起動(ライセンス認証)を終えました。
あらためて状況を要約すると以下の通りとなります。

問題点の要約

ソフトウェア製品の最終的な認証にアカウントとパスワードが必要なら、購入した製品を紐づける前に行う、サインイン確認時にも同じ組み合わせの情報を入力させれば今回のようなトラブルは未然に防げるのではないか?という点です。
もしくは、製品の最終的な認証時にも、アカウントとPINで認証可能にするのでも、お客様にとっての利便性は一緒です。このあたりはマイクロソフトアカウントを管轄する側のこだわりの部分なので、どちらでも良いです。

利用者の勘違い、記憶違い

パソコンの初期設定をする際に、マイクロソフトアカウントを作成したとのことでしたが、このときに【3つの情報】を作成したはずなのに、後者 2つを勘違いしていた、すなわち『パスワード情報』が何だったか情報を残していなかったという点です。
今回、このトラブルに見舞われた利用者の味方をする訳ではありませんが、Windows PCの初期設定におけるマイクロソフトアカウント作成の流れ、(ID取得からパスワード、PINコードと作成させる流れ)では、パスワードの重要性とPINの重要性の差について解説が弱い印象をもっています。明らかにパスワードの方が重要なのに、PINが同格(代替情報)であるかのようなのような印象を与えています。

【本来】マイクロソフトアカウント(ID)・パスワード・PIN の3つの情報が手元にあるはず。
【実際】マイクロソフトアカウント(ID)とPIN のみを情報として控えていた。

発生する被害

購入したソフトウェア(Office)を、購入者自身のマイクロソフトアカウントに紐づける際には、ID と PIN で処理が行われていたにも関わらず、ソフトウェアのライセンス認証(初回起動時の設定)では、ID と パスワード を要求する仕様であったこと。
これにより、ライセンスはマイクロソフトアカウントに紐付けられてしまったが、すぐには利用できず、マイクロソフトサポートなどと共同して、事態を修復する手間が増えてしまう。
購入者が急ぎOffice製品を使いたいと思っていた場合は、サポートなどに連絡をとり解決するまでの間、製品の利用ができないのでとても不便である。

本来あるべき手順

ソフトウェアの利用開始時 (ライセンス認証時) にマイクロソフトアカウント と パスワード で確認を行う仕様であったなら、ソフトウェアをマイクロソフトアカウントに紐づける際にも、同じ組み合わせで確認をすべきじゃなかったかと。

もしこの時点で、どういう理由であれパスワードを入力できなければ、作業の当事者もそのまま作業を進められなかった訳で、
(1) 先にパスワードの件を回復すべくサポートと連携して処理を始めるか、
(2) 家族のマイクロソフトアカウントに紐づけて認証するとか、
(3) 自分自身で二つ目のマイクロソフトアカウントを取得して、処理を継続するか、
色々な選択肢があり、確実にIDとパスワードが判るアカウントで、製品の紐付けとインストールを行っていたはずです。

オンラインで永続版ライセンスを購入しインストールしたいと思う方のほとんどは、すぐにでもソフトウェアを使いたいと思っている方が多いと感じますので、切に改善を願います。

参考リンク

関連するサイトの情報です。

LinkMicrosoftアカウント:サインイン
オフィス製品などのライセンスを自身のアカウントに紐づける前に、こちらのサイトにて、正しくサインインできるかどうかお試しください。
IDやパスワードがうろ覚えの方、特に事前確認が必要です。