無料サービスとして提供するには理由がある

皆さんはメールアドレス使っていますか？
そのメールアドレスは、プロバイダなどと契約したものですか？無料で利用しているアドレスですか？

当店ではパソコンに関するさまざまなご相談に対応する業務を行っているせいか、メールアドレスに関するトラブルや相談事に多く接しています。その多くは『メールアドレスが利用できなくなった』に起因するものです。
あなたが利用しているメールアドレスの管理会社がどのようなルールで無料提供しているか、しっかりと把握して余計なトラブルに巻き込まれないよう気をつけてください。

無料でメールアドレスが提供される仕組み

自社で提供する各種サービスの利用状況を把握するためのアカウント管理であり、メールアドレス(メールシステム)の提供は、その延長上にあるサービスと推察しています。各社共通するのはサービスの利用を通じた『ビッグデータの収集』です。

何故、期間を定めて利用停止にするのか？

無料サービス利用時にありがちなダイレクトメール(DM)の送信や広告表示は、これらビッグデータから判断され活動に関係してきます。なので各種サービスを定期的に使って頂かないことには無料サービスとして提供できる条件に合わないので、休眠・未使用のアカウントは閉じていく方向で各社対応を行っています。
大きな保管領域を必要とする、クラウドサービスに代表される『データ保管サービス』の無料提供部分についても同様の考え方です。

また、休眠・未使用のアカウントは、悪いことをする方たちが『匿名アカウント』としてこれらの未使用アカウントをハッキングし悪用する傾向があり、そういう悪巧みの温床にならないようITサービス各社も動いているようです。

Google / Gmail ジーメール

無料サービスを提供している中では、比較的機能制限に至るまでの基準が緩い企業という印象があります。ただ2023/12から実施される、アカウントの削除は利用されていないアカウントの一掃、不正アクセスの温床を取り除くなどの目的があるようで、かなり大がかりに実施するようです。

Gmail 基本仕様

メールボックス容量は、15GB。標準で提供される容量は大きい方です。
かなり優秀な迷惑メールフィルターが搭載されており、この迷惑メールフィルターを利用したいがためにGoogleアカウントを作成したという方も私の周りには結構いらっしゃいます。

Gmail ルール

2023/12 より実施が予定されている、アカウント削除のルール新設についてです。
削除の対象となる条件は以下の通り。
🔴 個人のGoogleアカウントであること。
🔴 少なくとも2年間使用されていない、あるいはサインインされていない場合。
🔴 Gmail、Google ドキュメント、Google ドライブ、Google Meet、Google カレンダー、YouTube、Google フォトなどのサービスを、対象のアカウントでサインインしないで利用していない場合。
※サービスによっては、ゲスト利用が可能なものがある。(Youtubeくらいかな?)

実際の削除を実施するまでの十分な期間、連絡先に事前通知を行った上で削除を実施するとのこと。
拝見した資料には明示されていませんでしたが、ビジネス利用のアカウントや、有料サービスを契約中のアカウントは除外されるものと推察できます。これらの利用者に向けても、今後の方針や対象者についての説明が行われると思いますので、Googleからの通知メールをご確認ください。

Gmail 削除されるとどうなるか？

おそらく『利用停止』ではなく『削除』なので、不可逆的な対応になるのかなと推察しています。
救済処置などはあるのかもしれませんが、明示されていない情報なのでここでは触れません。
2年間という、他社と比べて長い期間に渡り、サービス利用がなかったことを確認されての処置なので、まぁしょうがないかなと思われます。

Gmail 削除されないようにするには？

ぱっと思いつく限り、以下のような操作が有効です。

✅ Android系スマホ・タブレットを利用されていたら、そのGoogleアカウントに対象のIDを利用し、定期的に使用すること。メインのスマホでしたら気にせずとも、2年間まったく操作しないということはないのでは？
✅ パソコンなどで利用している場合は、Gmailサイトなどを定期的に開いて、メールにアクセスする。Google Mapなどのサービスを利用する。
✅ 定期的に行う作業(例えばデータのバックアップ作業)の時に、重要なアカウントへのログインを行い、利用中であることのアピールをする。

Outlook / outlook.jp Microsoftアカウント

マイクロソフトのアカウント、Microsoft Accountを新規作成する際に、自身のメールアドレスがないと申告すると無料で発行してもらえるアカウントであり、メールアドレスでもある

outlook 基本仕様

マイクロソフト・アカウント(Microsoft Account)は、メールが届く有効なメールアドレス形式のIDで申請します。申請のタイミングでMicrosoftにメールアドレスの新規発行を依頼すると、『希望の名称＠outlook.jp』という形のメールアドレスが作成され、そのままこれがマイクロソフト・アカウントになります。

outlook のルール

1年に1回はアカウントにサインインするよう案内が出ています。
outlook.jp のメールアドレスで送受信を行っている方は、メールボックスへのアクセスも『サービス利用』に含まれると推察されます。Microsoft社が提供しているマイクロソフト・アカウントを利用する関連サービスを使っていない場合は、サインイン作業で継続利用中のアピールをする感じです。

outlook 利用停止になるとどうなるか？

久しぶりにサインインした場合に、追加のセキュリティーを設定して！という表示になることがあります。
通常はスマホの電話番号(SMS)認証で、電話番号を追加することで一時的なロックは解除されると思います。
※過去にスマホの登録が済んでいる方は、同じ電話番号でのSMS認証を行ってください。

1年経過した時の対応がどのようになるかは、まだ調査していないので後日記載します。

outlook 利用停止にしないようにするには？

他社と同様、有料のサービスを利用するか、製品を購入して紐付けしている場合は削除の対象にはならないと推察しています。
✅ 購入したソフトウェア、Microsoft Office製品を紐づけている場合。
✅ サブスクリプション契約でMicrosft 365などの契約が続いている場合。
これらの条件に合致する場合は、アカウントの利用停止になるようなことは確率的にも少ないと判断します。

Yahoo / ヤフーメール

Yahooメールの基本仕様

無料でYahoo IDを取得すると、そのアカウント名に『＠yahoo.co.jp』を付与したものがメールアドレスとなります。
※ ただしYahooBBプロバイダへの加入をきっかけにYahoo IDを取得された場合は、『＠ybb.ne.jp』が末尾につくメールアドレスを保有しますが、このメールアドレスを保持している間はここで触れる6カ月の制限は受けません。(YahooBBを解約してしまった場合は、yahoo.co.jpと同様の制約を受けます。)

Yahooメールは、DMの受信や広告閲覧などを行って頂く代わりにメールサービスを無償提供する仕組みです。定期的に利用して頂くことが前提の無料サービスとなります。

YahooメールはYahooが提供する無料サービスのひとつであり、Yahoo IDに紐付く、各種サービスを定期的に利用しているかどうか？ が停止の基準となります。
ちなみに、Yahooには有料のサービスもあり、有料サービスをひとつでも契約されている場合は、Yahooメールの利用が滞っても、利用停止されることはありません。(後述)

Yahooメールのルール

Yahooが定めるルールの抜粋です。

Yahoo!メールには有効期限があります。6カ月以上利用されていないYahoo!メールアドレスとメールボックスは、利用停止になります。
「利用されていない」と判断されるのは、以下のすべてに該当する場合です。
・6カ月以上ブラウザーのYahoo!メールやYahoo!メールアプリでアクセスを行っていない。
・6カ月以上POPアクセスやIMAPアクセスを行っていない。

注意事項！ YahooBBに加入されている方が利用している、YahooBBメールアドレスは契約上別のものですので、『xxxx@ybb.ne.jp』が有効になっている利用者の方は、6カ月の制限を受けません。

Yahooメール 利用停止になるとどうなるか？

利用停止処理が行われると、
🔴 Yahooメール側で預かっていたメールが全て消去されます。
🔴 そのメールアドレスは存在しないこととして扱われますので、誰からのメールも届かなくなります。

Yahooメール 利用停止にしないようにするには？

✅ 定期的にメールを確認し、メールサービスを利用すること。
✅ 有料サービスの利用契約をし、6カ月のルールから除外されるようにする。

有料サービスで有名なところでは、
Yahoo! BB ／ Yahoo!プレミアム
追加メールアドレス ／ マイネームアドレス
セキュリティーパック ／ ウイルスチェックサービス
などが挙げられます。プロバイダのYahooBBや、ヤフオクなどで利用するYahoo!プレミアムなどに加入されていて、この6カ月ルールから除外されている方も多いようです。

参考リンク

この記事を書くにあたって参考にしたサイトです。