危険な通信販売サイトに気をつける方法。見極め方やリスクについて

新しい通販サイトが続々と日本上陸していますが・・・

日本国内で有名な通販サイトと言えば、アマゾン(Amazon)、楽天市場、Yahooショッピング、ヨドバシカメラ・・・などを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。これら以外にも例えば特定の商品ジャンルで頭角を表している通販サイトも沢山あります。検索して簡単に購入できるので初めての購入でも、比較的躊躇なく購入してしまった方のいらっしゃるかと思いますが、通販サイトには、(良い意味でも、悪い意味でも)それぞれ特色があります。 この特色を知らずに購入すると、『安物買いの銭失い』になってしまう可能性が高いので、みなさんで賢くなって、そういった業者やサイトが儲からないよう注意しましょう。
当店では、パソコンや周辺機器に比較的明るいので、そういう方面での知見について解説してゆきます。


ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。

どういうサイトが安全ほ危険なのか

どういう点に注意すべきか?を説明する前に、シンプルにどういうサイトに注意したらいいのか?について解説します。
通信販売に慣れていない方、善し悪しを判断する経験の浅い方は、そもそも怪しい出品者・業者が多い通販サイトの利用はさけるべきでしょう。海外ではそういう被害に遭いそうなサイトについて注意喚起の文書もでておりますので、参考にすると良いです。(記事の最後にリンクを掲載しております。)

まず最初のうちは、【A】~【B】あたりのサイトで購入をするよう心掛けてください。善し悪しの見分けができたり、慣れてきたら【C】以降にもチャレンジするくらいの心構えが大事です。【D】はいつの時代も細心の注意が必要です。

※個人間取引のカテゴリー メルカリ(Mercari)、ヤフオク (Yahooオークション)、ジモティーなどは評価の対象から外しています。

【D】もっとも気をつけるべきサイト

❎ サイトの運営が海外で行われているところ
❎ 購入商品が海外から発送されるところ
❌ 米国などの危険なサイトに掲載されているところ

これらの条件を満たすサイトは、AliExpressTemu です。
まず間違いなく、通販初心者は手を出してはいけないサイトだと言えます。ほしいものがこれら以外の安全なサイトで入手できないか検討してください。

Temuは知名度が低いかもしれませんが最近日本で宣伝を始めました。中国のピンドゥドゥ (拼多多・Pinduoduo) とTemiは同じ企業の傘下にあり、記事の最後に挙げた『偽造品と海外版の悪名高い市場一覧』に名前が挙がるサイトです。

【C】購入する店によっては危険 (危険寄りの注意サイト)

❎ サイトの運営は日本の法人が行っているものの
❎ 購入商品が海外から発送されるところが多い。
❌ サイト側で発送代行などを行っている販売店(出品者)も多い。

通販サイト自身で販売する商品のサービスレベルと、他の販売店のサービスレベルに差が大きい通販サイト。個人的にはAmazonあたりをイメージしていますが、かなりサービス品質が異なります。特にMarket Place 取扱の商品には注意が必要です。他の販売店が販売し、その販売店が発送するタイプの商品は、通販の熟練度が上がるまで手を出さない方がいいかもしれません。
Amazonのような、Amazon自身でも商品を販売していて、他の販売店の商品も同じプラットフォームで販売をしている場合で、Amazonが他の販売店の発送代行を行う場合は注意が必要です。発送に関するマイナス評価が削除されるので見かけ上、その販売店の評価が上がってしまっています。

【B】購入する店によっては危険 (安全寄りの注意サイト)

❎ サイトの運営は日本の法人が行っている。
❎ 海外の販売店は存在するが商品が海外から発送されることはほとんど無く、
✅ 大多数は国内の販売店であるところ。

楽天市場Yahooショッピング などはこちらに該当します。
出店事業者の情報を事前にチェックし、海外企業でないことを確認しておけばまずトラブルに遭うことは少ないと思われます。通販を始めたばかりの方でしたら、ぜひこちらの通販サイトでの購入からお勧めします。

【A】比較的安全に購入できるサイト

✅ サイトの運営は日本の法人が行っている。
✅ すべて自社サイトから発送される。

ヨドバシカメラ のような単一の企業が自社で仕入れた商品を販売するタイプだと安心感が増します。
最近の国内通販事業者では頑張っている企業のひとつですので、応援の意味も含めてこの評価にしています。
注文から到着までの時間も早いので、Amazonプライムを止めてヨドバシに切り替えた、なんて方のお話も聞いたことがあります。Amazonプライムの会費を払っても得をするくらいの購入頻度ではないが、時々通販をしていますという方にお勧めです。

危険なサイトの理由・事例

どうして海外通販サイト、海外ブランドが危険なのか事例を挙げながら解説してゆきます。

ライセンス違反のある商品 (海賊版)

悲しいことに海外ブランドの一部では、Windows OSのライセンスや、Microsoft Office製品のライセンスが海賊版で販売されているものを多く見かけます。お値段(コスパ)の良い商品だと、その割合はぐっと上がります。
販売価格が安いものを検索するのも大事ですが、相場から大きく離れた商品には警戒感を持ってください。

そういう組み合わせで販売しちゃまずい商品

Windows 11がインストールされていますと書かれた中古パソコンの一部で、そもそもWindows 11に適合していないモデルに無理やりにWindows11をインストールした、海賊版のような中古パソコンが販売されています。
Windows 11が入っている = 新しい世代のパソコンだ、と早合点しないよう注意が必要です。

新品か中古かの提示がない商品

新品のパソコンだと謳われていた商品なのに、内部の部品構成を細かく確認すると 5~10年前のモデルで使われていた部品でくみ上げられた商品だった事例があります。外装部分だけを交換したのか、古いパソコンから部品を抜き取って再構築したものなのかは、事例によって異なりますが『新品なのか中古なのか、はっきり書いていない商品』にはこういう商品が含まれています。

当店でお勧めしない商品の実例

当店では修理やメンテナンスを行っていて、最近のご相談で増えてきた事例をもとに解説します。

安い商品には訳ありが多い

値段の高い安いにも理由があります。安いパソコンは安く販売するための工夫(というか犠牲)がたくさんあって、見た目はノートパソコンでも、中身は安いWindowsタブレットの基板が入ってた、みたいな事例が数多くあります。
高級なモデルを除いて、タブレット製品は性能があまり高くないことが多いので、見た目はノートパソコンでも、とても遅い商品が多いです。価格的に安価で、薄くて小さいモデルは注意が必要です。

実際のデメリット事例
年式の新しいモデルだったが速度が遅く、自宅にある3~4年前のモデルにも負けてしまうほどの速度だった。

自衛策
知らないメーカー・ブランドのものはしっかり調べてから購入する。パソコン販売店以外(例えばディスカウントストアやホームセンター)で売られているパソコンは、性能や機能などに不満がないか評判などをしっかりチェックすること。

NB(ノーブランド)は、とにかく安く製造する

格安ノートパソコンを中心に、ネット上で見かける『ノーブランドなパソコン』は、実際に分解をしてみると内部はとても安く作られているものがあります。タブレット製品は安価に仕上げるため、基板が一枚で構成されているものが多く、トラブル・故障の全てが基板の故障にたどり着く場合が多いです。ストレージなどもシステム基板に実装しているものもあり、パソコンに不具合が発生した(例えば電源が入らなくなった)場合に、ストレージを取り外して、データ復旧を試みることができないモデルもあるので、部品構成などの情報が出ていないマイナーなブランドの製品は購入前の調査がとても重要です。

実際のデメリット事例
データ復旧しようと依頼したが、ストレージが物理的に取り外せずデータ復旧ができなかった。

SSDとか、知らないブランドのがほとんど

M.2形状のSSD が搭載された製品が増えてきましたが、当店で関わった事例に限って言えば安いPCからは聞いたこともないような無名(NB)なSSD製品や、製品ラベルすら貼っていないようなSSD製品も出てきます。サンプル数がまだ少ないので断定的には言いにくいですが、故障までの時間も (日本国内で流通しているSSD製品と比べて) 短いのでは?という印象を持っています。

自衛策
比較的お安く購入したパソコンからには、ノーブランドなSSDが使われている可能性を意識して、こまめにデータのバックアップをしたり、クラウドサービスを利用するなどの対応は必要だと思われます。

ACアダプタなどの周辺機器が特殊仕様

パソコンに付属する各種機器が、一般的なメーカーのものと異なる場合が多く、故障などで交換が必要になった場合に、そもそも入手が難しい場合や、代替品があってもとても高い場合とがあります。

実際のデメリット事例
周辺機器のサプライ品が特殊なもの、もしくは流通していないもので、入手できなかったり、買えたとしてもとても高い価格だった。

自衛策
ACアダプターを例に挙げると、そのメーカーの特別なACアダプターが付属するモデルを避け、USB-C充電などの汎用的な仕様になっているモデルを選ぶことは、のちのち重要になると思います。

参考リンク

アメリカ政府が発表している、『偽造品と海外版の悪名高い市場一覧』の文書。
日本でも知られているあのサイトも名を連ねています。
LinkUSTR Releases 2022 Review of Notorious Markets for Counterfeiting and Piracy