ネット通販でパソコンを購入する時に、ものすごく気をつける事 4選
日本国内での『当たり前』が、世界では『奇跡』である事がある
パソコンを通信販売で購入される機会が増えてきています。
普通に○○デンキ、○○カメラなどのECサイトで、新品パソコンを購入する分には特に問題のない購入方法だったとしても、知らないメーカー、検索でひっかかったサイトで購入をする場合、『そんなところまで、気にしないとダメだったのか!』と騙しのデカさにビックリすることがあります。
当店では修理や検査の相談で持ち込まれたパソコンで、衝撃の事実だった事例を抜粋して紹介します。
怖いのはこれらの事例は、今もまだ続いている『現在進行形の問題』だということです。
ここに記載した情報には誤りがない様努めておりますが、万が一情報に誤りがあった場合にはご容赦ください。ここの情報を利用する際はお客様の責任において利用してください。利用されたことによって生じるいかなる不利益も、当方では責任を負いかねます。
目次
事例1.新品で購入したパソコンが、実は中古パソコンだった
アマゾン(Amazon)を筆頭に海外企業が多く出品・販売を行っているECサイトにおいて、比較的多く発生している事例。
故障したので見てほしいと持ち込まれたパソコン。当店スタッフは基本的な質問として『このパソコンはいつごろ購入されたのですか?』と伺います。お客様は『○○カ月前に新品で購入しました。』と仰るので、比較的新しいパソコンだなと想像します。そして、確認できた情報や型番などから使われている部品の世代を確認します。
ところが、ここで違和感が発生します。この部品の世代が結構前のもので、型落ちのアウトレット品として購入されたとしても時期が合わないくらいに古いのです。もう数年の単位で。当店スタッフも多少の混乱を覚えましたが、状況を整理してお客様にお伝えします。
結論。古い世代の部品で組まれたパソコンだった
それぞれの部品が新品か中古かは、また別の検査が必要なので部品の製造時期については言明できませんでしたが、以下の内容をお伝えしました。
❌ このパソコンに使われている部品の世代は、今日現在使われているものではなく、数年以上前の世代のものでした。
❌ 日本国内のメーカーが現在新品パソコンとして販売されている中には、この世代の部品を搭載している商品はない。
❌ 海外のあまり知られていないメーカーのパソコンですので、どういう経緯でこういう部品構成になったかは不明。
❌ 古い中古パソコンから基板を取り出して、組み替えただけのパソコンである可能性も否定できません。
❌ Windows 11が搭載されている製品でしたが、これはMicrosoftが提示した必要要件を満たしていない世代です。
まずは、誠意ある販売店かどうか、購入履歴から問い合わせてみてはどうかと提案しました。
本件はその後の展開はお伺いできていないので、どういう解決をされたかは判らない事例でした。
教訓。新品と書いてあっても新品でない場合が意外に多くある
日本国内にいると、『そんなすぐにばれるようなことをどうしてするんだ?』と不思議がるような手口がありますが、まぁひっかかる方も多い訳でして・・・信頼のある、実績のある店舗やお取引先のありがたみはこういう場面で再認識される訳です。
事例2.インストールされているOSやソフトのライセンスがデタラメ
最近では、特化型製品を得意としたメーカーがベンチャー企業として多く設立されています。具体的にはものすごく小型なPC (NUC) と呼ばれるカテゴリーの製品だったり、超薄くて、軽くてといったモバイル系パソコンなどです。
ここでも、老舗のPCメーカーではなく、ECサイト上にぽっと現れる新進気鋭のベンチャー・ブランドによる製品で、性能も何もがイケてる仕様なのに、お値段がそんなに高くない!という購入者に取っても魅力的な商品が沢山ありますが、ここに罠がありました。
お客様から連絡が入り、『トラブルが発生したので、自分で初期化してOS(Windows)を入れ直したのですが、ライセンス認証が通らずにエラーしてしまうんです。』私が何か間違ってリカバリーしたのか気になっていて・・・手順などが間違っていないか確認してもらえますか?という依頼でした。
手順を伺うと、ウェブサイトからMicrosoftに行き、OSのインストールメディアを作成し、クリーンインストールを実施したと。確かに手順は間違いなさそうですが、動作するOSの画面ではライセンス認証ができていない様子。細かく調べていくと、このPCではデジタルライセンスによる認証ができていない状況でした。COAシールも存在していませんでしたので、何か付属品はありませんでしたか?と確認するも付属品にライセンスコードは含まれていませんでした。
元のライセンスが何だったのか確認できないか・・・とあきらめかけましたが、このお客様は同型の商品を2台購入されたそうで、同一のものが稼働しているとのこと。そちらのPCをお借りして現在のライセンス情報を確認できました。
結論。OSのライセンスが正規なものではありませんでした
結果、一般消費者向けに販売してはいけないライセンスで認証されていて、再インストール時には改めてライセンス認証をしないといけない状況でした。(ライセンスの販売方法に違反がある状態。まぁ簡単に言うと海賊版のたぐい。)
まずは販売店に事の経緯を説明して、どのような対応をしていただけるのか聞いてみるのも手ですと回答しました。
お客様は現在稼働しているもう一台の件もありましたので、どういう経緯なのか問い合わせると仰っていました。
教訓。妙に安いパソコンはライセンスが適当な場合が多い
故意なのか、過失なのか、その判別は難しいし当店で判断する内容ではありませんが、実際に言えることは『この事例はかなり多い』ということです。お客様みなさんがひっかからないよう、注意が必要だと感じています。
当店で実際に関わったお客様の事例も、一般的にインターネット上で飛び交う書き込みを見ても同様ですが、性能・機能の割に販売価格が安い場合は、結構な確率でライセンス違反なものが多いように感じます。初期化や再インストールをしないと判明しない事象なので、問題が発覚した場合でも、保証期間などとの関係から、クレームを入れても販売店が逃げきれる場合があると聞いたことがあります。(不誠実な対応だったり、そもそも連絡がつかなくなっていたり。)
事例3.オフィス製品(Microsoft Office)のライセンスがデタラメ
事例2. と状況は一緒ですが、オフィス製品だけ、個別に販売してはいけないライセンスが付与されていた事例があります。
当店で拝見した件数では、こちらの方が多かったです。ECサイト上で、結構デザインもよくて、新品で、オフィスまで付いててこのお値段!みたいな商品が多いですが、安すぎるものは『おそらく軒並み、こんな感じです。』モノにはそれぞれ、仕入れ価格がありまして、安い!安すぎる!と感じたものの多くは、そういう違法な製品じゃないか?と疑う訓練が必要です。
結論。オフィスのライセンスも正規じゃない物が多いです
教訓。妙に安いパソコンはライセンスが適当な場合が多い
事例4.新品パソコンと書いてあっても、中古品だった
事例4.新品かはあいまいな記述だったが、やっぱり中古品
ECサイトにおいては意外と多く、またひっかかる人が多いのもこのカテゴリーです。
掲載された写真のみで判断することが多く、モノがキレイだと新品と勘違いしてしまうのかもしれませんが、新品と書いていないものは新品ではない!そう思う事が重要です。
当店での事例で紹介しますと、お客様からパソコンが起動しなくなった(Windowsが起動しなくなった)とのことで、拝見し検査を実施しました。お客様曰く、新品で購入しまだ、数カ月しかたっていないとのこと。(この事例では3カ月だったかと記憶。)
検査の早い段階で意外と結論が判明。
❌ PCを構成する基板が、現行世代のものじゃない。数年の単位で古い世代のもの
❌ 搭載されているストレージやメモリーの製造(販売)時期が古く、ここ数カ月前に組み立てて販売したという雰囲気ではない。
(補足) 業者さんが数年前の部品をストックしていて、何年か経った現代にパソコンとして組み上げてテストして販売したという可能性がある。これを新品パソコンと呼んで良いのかどうかはまた別の議論ではありますが、いずれにしても、そんなレアな条件は珍しいでしょうから、今回は中古品を新品だと偽られて購入したのではないか?と報告しました。
後日、お客様の方で連絡を取ってみたそうですが、すでに連絡が付かなくなっていたそうです。(電話やメールアドレス)
教訓。新品と書いてあっても中古が届く世界。新品と書いてなければ尚更・・
日本国内において、心配しなくて良いことでも『海外ECサイトでは、きっちり確認する必要があります。』
海外サイトでモノを購入するということは、そういう覚悟が必要とも言えます。
教訓。価格だけじゃなく、商品の説明や、業者の素性などをしっかり調べて!
パソコンに詳しい人が周りにいたら、商品ページをメールするなどして『ちょっと、この商品がどうかアドバイスもらえませんか?』と聞いてみるのも有効な手です。