ソフト(アプリ)をダウンロードすることが意外に難しい、騙しの手口

意外と気付かずに被害に遭っている方が多い、ダウンロード

パソコンを利用されていれば、インターネットから『フリーソフト』などをダウンロードし、インストールして利用されている方は多いと思いますが、ここで質問です。
『そのソフト、本家サイトからダウンロードしましたか?』
『余計なソフトはインストールされていませんよね?』

いずれの質問にも自信をもって『はい!』と答えられる方は少なく、多くの方が
『何か間違ってましたか?』
『その質問、どういう意味ですか?』

と逆質問をされることも少なくありません。今回は『あなたが使いたいフリーソフトをダウンロードし、インストールするのは意外に難しいんですよ』 というテーマで記事を作成します。


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語句についての説明

『ダウンロード』の用語は、ここでは DL(Download)と短縮表記で表すところがあります。
『本家サイト』とは、正式サイトと表現される、そのソフトの開発元・配布元として正式な場所(サイト)を一括して本家と呼びます。分家サイトでも構いませんが、要するに『正しいもの、変更されていないもの』を配付しているか?が鍵になります。
『偽サイト』とは、本家サイトには含まれないサイト、勝手に配付しているサイトのうちソフト自体に何らかの細工をして配付しているサイトを指します。プログラムに改変はしていないものの、許可なく配付しているサイトは『野良サイト』と表現し、区別する場合があります。

『偽ソフト』とは、本家サイトで配付されているものとは別の構成になっているソフトのこと。一般の商品で言えば【箱を開けて中身を触って、再度フタを閉じた商品】みたいな感じ。中身について工場出荷の状態が担保できない。
『再パッケージソフト』とは、そのソフトと他のソフトを大きな袋に入れて、大袋のような状態にした上で、その袋に『○○ソフト』と再ラベリングしたようなソフト。この記事で多く登場するのはこの『再パッケージ』と『バンドルソフト』
『バンドルソフト』とは、あるソフトに別の会社のソフトを抱き合わせて、ひとつのパッケージにしたソフト。ソフトの製作元が主導して行っている点が違うところ。売れすぎたファミコンに人気のないゲームを抱き合わせて『ファミコン特別セット』として販売するようなイメージかな。

ダウンロードという行為が難しいと言う理由

本家サイトから、正常で改変されていないプログラムをダウンロードできれば、あなたのパソコンには正しいフリーソフトだけをインストールすることが可能です。本家サイト上で行う限り、普通に安全な作業です。

パソコンやインターネットの状況を含めて、現在の状況をご案内します。
あなたが、ある有名なフリーソフトをダウンロードしようと行動を起こしたとします。
検索サイトでソフトの名称で検索『○○ソフト ダウンロード』し、出てきた検索結果から該当する『ダウンロードサイト』を選ぼうとした場合、最初のページに表示された検索結果のうち、10個中 9個は『偽サイト』であった事例があります。
要するに、『本家サイト』は検索結果の最初にはまず出てきません。出てこないことを前提にして『予めこのソフトはどこのサイトで配付されているか?の情報を持っていないと』ほぼ確実に騙され関係ないサイトに誘導されます。

検索結果の上位には、本家サイトは表示されないことがほとんど

偽サイト、関連広告に埋めつくされて、本家サイトの検索結果は下の方に埋もれています。

偽ソフトの中身

偽ソフトには、種類があって本当の意味で『偽ソフト』は多くなくて、再パッケージソフトやバンドルソフトがほとんどです。共通する状況は、欲しかったフリーソフトもインストールされるけど、要らないソフトも一緒にインストールされてしまう点。
その要らないソフトが、毒にも薬にもならない場合は被害がないのですが、だいたいは毒になるソフトで、パソコンの動きを邪魔したり、他のソフトをどんどんインストールして増やしていくタイプのものもあります。

違うサイトからDLしたことに気付けない理由

使いたかったソフトがインストールされているから。
他にもソフトがインストールされていることに気付けない場合が多いです。
世の中で、偽サイトからダウンロードしてしまっている方が多いと予想されているのに、そんなに騒ぎにならない理由の一端がこれです。

ダウンロード被害、手口のご紹介

そもそも、ダウンロード時に遭遇する詐欺的行為とかどういうものなのか?手口についてご紹介します。

検索結果から、偽サイトに誘導される

検索結果、特に最初の10件(上位検索)には、本家サイトが表示されないことも珍しくなくなりました。
こういう現実をご存じでない方は、最初の検索結果から一番それっぽいサイトを探し出すことに固執してしまうので、偽サイトの餌食になりがちですす。

偽サイトから、本家サイトとは異なるプログラムをダウンロード

偽サイトと言えども、サイトを訪れると普通にプログラムをDLできる場所があり、これが正解かな?と思わせるに充分な状態で表示されます。疑っていない人はそのままDLしてしまいます。

本家サイトに、偽広告を表示し偽サイトからDLさせる

運良く、本家サイトを訪れることができたとしても、本家サイト上でもサイト内を移動しながらダウンロードのページにたどり着く訳ですが、このページ間を遷移している間にも、広告などで偽サイト(偽DLページ)に移動してしまう事例も多いです。ひとつのページに『ダウンロード』ボタンが4つある!といった事例もありますので、正しいボタンをクリックするには訓練と経験が必要になります。

何故?偽サイトで偽プログラムを配付するのか?

アフィリエイトの存在

商品紹介などと一緒で、ソフトウェアの世界でも紹介して報酬(インセンティブ)を得られる仕組みがあります。
また企業間でもソフトウェア開発元とアフィリエイト企業、PCメーカーとアフィリエイト企業みたいな組み合わせで、利害関係が発生します。そして有益なソフトと宣伝だけが目的のソフトがセットになっていく仕組みがあります。

ウィルス・マルウェア感染の最初の行動

アフィリエイトのために別のソフトがインストールされただけなら、まだ許せるのかもしれませんが、悪意を持った人が偽アプリを配付している可能性も気にしておかなくてはいけません。
その偽ソフト自体が(ウィルス対策ソフトに検知されるような)悪意のあるプログラムである事例は少なく、その前段階の悪事を行うソフトであることは、過去の歴史においても発生した事例です。
偽のソフトでも、入れ直せばいいや!ではなく、最初から正しい・本家のソフトをインストールするよう心掛けましょう。

広告やアクセス数を稼ぐため

最近では、広告などを発生させるソフトも増えてきました。
余計にインストールされたプログラムによって、パソコンなどに広告が発生し、その表示に伴う対価が偽ソフトの関係者に還元されるという仕組みもあります。

偽サイトでDLすることを防ぐ方法のご紹介

最後に、どうやったら偽ソフトのDLを防ぐことができるか?
現時点で有効な方法について、解説します。

検索エンジンを使わない

意外なところから解説します。ずばり『検索サイト (Google/Yahoo)』を使わないことです。
検索せずにどうやって、目的のダウンロードサイトを探すんだ?
そう思われた方も多いと思いますが、そのまま読み進めてください。
検索サイトを使わないことで、結構な割合で偽サイトへの誘導を防ぐことができます。

ソフトの配付サイトを活用する

日本国内だと『窓の杜』のような、プログラムの配付を目的としたサイト(サービス)が存在します。
こういうサイトのブックマークを用意しておいて、ほしいソフトが見つかったらこのサイトの中で検索をしてください。
検索結果(特に広告)に左右されないので、偽サイトに誘導される確率がかなり下がります。
当店のお客様には、必ずと言っていいほどこの方法を推奨しています。

ソフトの紹介記事から直接飛んで行く

もしインターネットの記事などで、便利なソフトの存在に気付いた!そういう場面では、その記事の中にある関連リンクからソフトウェアのページにリンクが張られている場合がほとんどですので、そのリンクから直接飛んで行くと安全です。
※ソフトを紹介している記事、もしくはその記事を掲載しているサイト(サービス)に一定の信頼感がある場合に限ります。紹介記事自体がいわゆる『宣伝記事・提灯記事』であった場合は、この限りではありません。

知らない会社・海外の会社のソフトウェアには警戒感を出す

ソフトウェアの紹介情報は、おおむね良いことだけを書くことが多いです。
(このソフトを使って)悪いことを画策している会社も、良いことしか書きません。
発表されて間もないソフト、設立されて数年の会社など、『こんな便利な機能が、無料で利用できる!』なんて、夢のような良いソフトの場合、原点に立ち戻って『これだけ類似の市販ソフトがあるのに、何でこの会社は無料でフリーソフトとして提供できるのか?』この一点について興味を持って、調べてください。
インターネットは情報の宝庫です。良い情報も悪い情報も、それが真実であればどこかに情報があるはずです。
いきなり飛びつく(DLしてインストールする)のではなく、しっかり調べてから利用するよう心掛けてください。
『タダより高いものはない。』

最後に怖い話をしますが、
コロナが流行し始めた2020年ころから、自宅で仕事をしたり、自宅で過ごす時間が増えたりしたせいか、パソコンにおいて『フリーソフト』をインストールしたことに起因するトラブル事例・ご相談が増えたように感じています。
インストールしてすぐに気付くということは稀で、何年もかけて違和感に気付く、そういう難しく危険な要素を含んでいることが『偽ソフトが持つ、やっかいさ』だと感じて頂ければ幸いです。

おかしいな?と思ったら、相談してください

友人知人の詳しい方、そういう人がいなければ当店のようなパソコン修理やメンテナンスを業務としているお店に相談することをお勧めします。勝手に削除をしてしまうと、全体が判らなくなりますので、できれば気付いた状態のまま相談することがベストです。