新しい技術が採用される時、詐欺の手口に悪用されること多数

電話は、昔から詐欺の手口として、素材として利用されてきた歴史があります。
オレオレ詐欺のように、電話を『手段』として利用する場合もありますし、年代が上の方でしたら黒電話詐欺、『近々、黒電話が利用できなくなるので電話器の交換が必要です』という架空の話しから、設備や契約の見直しを迫る詐欺というのも流行りました。
昨今では、『ひかり電話の契約を切り替えると月々の費用が安くなる』という光コラボ事業者関連の詐欺まがいの案件とか、『インターネットをつかっていないなら昔の電話に戻すと安くなりますよ』と勧誘し、不要・高額な手数料を請求する、アナログ戻し詐欺のような事例もあります。
我々消費者が知識を蓄え、新しい詐欺の被害に遭わないよう、知識を共有しましょう。

これから電話回線による電話サービスの仕組みが変わります

インターネット回線、特に光回線の普及とNTTなどが保有する通信設備のデジタル化が進んだことにより、従来の電話回線をベースとした通信回線設備の維持・負担が大きくなってきている現状がありました。NTTではこれらの現状を改善するため設備の変更を計画していて、現在の予定では2024年ころから、これら電話回線ベースの通信設備を、新しい設備にできるだけ統合し、局舎内の関連設備をスリム化・効率化するという作業が始まります。専門用語で言うPSTNマイグレーション(固定電話のIP網移行) の事を指します。

ここで先に大事なことを書きます。★重要
これらのPSTNマイグレーション(設備の移行)が始まったとしても、自宅にある今までの電話については通話など基本機能においては、確実にそのまま使い続けることができます。 一般的な契約でしたら解約する必要も、契約を変更する必要もありません。まず、この辺を勘違いさせて契約変更を迫る詐欺が予想されますので、この記事の最重要ポイントです。
ただし、若干の料金変更と、利用できなくなる個別の関連サービスはあります。
順番に説明しますので、知識として知っておいてください。

変更になる料金やサービスなど

大事なことなので、最初にもう一回書きます。通話サービスなど、基本的な音声サービスは継続され廃止されません。 通話料に至っては少し安くなります。
今まで、時間帯と距離によって違っていた通話料 (遠い所にかけると通話料金が高くなるという料金体系は、3分一律 9.35円になります。(固定電話から固定電話にかけた場合) 実家が遠くて電話を遠慮していた方、お子さんが遠くに住んでいて電話の回数を気にしていた方には朗報と言えます。

廃止されるサービスなど

一方、この設備移行で廃止されるサービスもあります。
こういう事例と、一般の機能とを混在させ、詐欺の手口に用いることがありますので、ご自宅で加入・追加しているサービスに該当するかどうか、しっかりと確認をしてくださいね。

※INSネットについてはご利用の事業者様のスケジュールを考慮して、延長して提供する用意があるとのこと。詳細は管轄のNTT支店にご相談ください。
他にもありますが、当方が知っているものだけを抜粋して記載しています。

廃止される割引プラン

マイライン系の、特別な番号を入力したのちに電話番号を押すと通話料が安くなるというサービスがありますが、今回NTTが実施する変更に伴い、割引サービスが終了します。

こういう点でも、割引がなくなるので代わりの割引があるプランに切り替えませんか？みたいな勧誘が増加するかもしれません。今回の変更で通話料はかなり安くなるはず（遠距離の場合は特に）ですので、この手の勧誘にひっかからないよう注意する必要があるかもしれません。

正式な案内は文書で届きます

最後にもうひとつ重要なことを書きます。
もし仮にあなたが契約している電話関連のサービスで廃止に該当するものがあったとして、この件については文書などで届けられる(通知される)と推測できます。NTT側のこのような詐欺が流行ることは想定されているはずですので、突然に電話してきて『●●のサービスが使えなくなるので、他に切り替えて・・・』みたいな営業電話はかけてこないと思われます。
この件に関連して、電話で提案してきた場合は、『全部、詐欺！』 と判断してしまっても構わないくらいです。
いったん電話を切って、余裕を持って家族・知人に相談する、ご自宅を管轄するNTTに電話する、0120-116116 (サービスのお問い合わせ) に電話して直接確認する、という方法が間違いないです。

これから流行りそうな情報をまとめました。
今後も加筆修正が必要でしたら、仕事の合間をみて更新してゆきます。