Windows 8.1 から Windows 10にアップグレードしたい方への情報
お問い合わせが増加していたので情報をまとめます
Windows 8.1 のサポート期間終了が近づいていて(2023/01)、それに関連してWindows 10や Windows 11への更新作業についてのご相談が増えてきました。
そもそもの前提条件が異なっている方や、必要な費用に気づいていない方が多いようですので、現時点での情報をテンプレートにしてみました。
ご相談を頂く前にご一読頂けると助かります。
Windows 11への更新ルールは、これ以外にも条件があるので、また機会がある時にまとめます。新しいPCの購入を考える方もいらっしゃるかと思い、情報を追加します。
Windows 7 や Windows 8/8.1 で販売されていたパソコンのほとんどは、Microsoft社が発表しているWindows 11動作条件には適合しないので、この条件をクリアするパソコンはとても珍しいです。(ほぼ存在しないと思っていて良いです。)
中古パソコンを購入するような場面で、PCにWindows 7とか8.1とかのシールが張られたパソコンでWindows 11が導入され販売していたら、かなり注意が必要な商品となります。
目次
Windows 8.1からWindows 10にアップグレードする際に必要な条件
どのパソコンでも、Windows 10に無償でアップグレードできて、絶対に動く! と思っている方が多いようですが、それは違います。
下記にアップグレードできる条件をまとめますので、費用の面と、技術(トラブル)の面と、総合的に検討して頂き、どういう作戦で行くのかを決めましょう。
条件1.Windowsをアップグレードするには権利を購入する必要がある
費用・権利 Windows 8.1 から Windows 10にアップグレードされる場合は、Microsoft社が販売しているWindows 10 OS を購入する必要があります。Homeエディション、Proエディションによって費用が異なりますが、実買価格で約18,000円前後です。(作業を依頼される場合、作業費用は別途発生します。)
一部のサイトではアップグレードが現在でも無料で行えるかのような誤った情報が流れていますが、誤りです。インストール(アップグレード)のフログラムが実行できることと、インストールし更新して利用すること(権利)とは、別です。
詳細はこのページ下部にある『参考リンク』を参照してください。
※ただし例外となる条件もあります。
・2015~2016年に実施された、Windows 10無償アップグレードキャンペーンに参加されたパソコンに再度インストール(アップグレード)を行う場合。
・一部のビジネスモデルに存在する、Windows 10ダウングレード権利(DL権)を行使して、Windows 8.1を利用されていた場合。付属するリカバリーディスクなどを用いてWindows 10のパソコンに更新できます。
条件2.PCメーカーでWindows 10での動作を確認・保証している必要がある
先に記した費用・権利の問題がクリアになっていたとして、技術的な課題があります。
確認・保証 あなたが所有するパソコンにWindows 10を導入し、そのパソコンでWindows 10が正しく動作することをメーカー側が確認しているのか? という点です。一般的にメーカーの機種ごとのサイトで情報提供がされているはずです。
メーカー側から『Windows 10でも動きますよ』という情報の提供がない場合、このパソコンでWindows 10が正しく動作するのかどうかは未保証で、どのような振る舞いになるかは不明という扱いになります。
条件3.そのままアップグレードして動作するかどうかの事前確認
もし条件2.でWindows 10への対応が確認されたとしても、もうひとつ技術的な課題があります。
確認・保証 Windows 10への更新方法は、(a)新規インストール(リカバリー) と(b)アップグレード導入(上書き) とがありますが、技術的には後者(b)の方が難易度が高いです。
理由は、Windows そのものの更新以外に すでにインストール・設定されている各種ソフトウェアのアップグレードが含まれているからです。お客様からのご依頼の多くは、この(b)アップグレードによる更新ですが、当店ではさまざまな理由から事前に打ち合わせ(どんなソフトが導入されているか?)をしてから、お受けするかを決定します。
※Windows 10 での動作を確認されているメーカー側の情報でも、リカバリーディスクによる初期化導入を推奨している機種が多いようです。アップグレードによる導入が可能な場合でも、事前作業を細かく提示している機種がほとんどで、お客様が現在利用されている環境のまま、Windows だけを更新できることは稀だと思います。
総括. 更新には費用がかかり、ちゃんと動作するかは事前調査が必要
本件に関しては、どの情報が正しいのか、どういう手順で行うのがリスクが少なくなるのか、事前の調査が重要です。
更新に際しては、最低限OSのライセンス費用を負担することと、そのコストを負担しても正しく動作しない機種が存在すること、を強く意識しておく必要があります。
ネットにある情報から、気軽にアップグレードしようとすると、痛い経験をする可能性が高いと思います。アップグレード処理を失敗すると、けっこうな確率で保存されていた個人情報を消失したりします。悔やんでも悔やみきれない事象となりますので『ちょっと時間が取れたので、アップグレードでもするかなー』みたいな気軽な気持ちで行わないよう注意喚起しておきます。
この記事を、実際に作業を行ってしまう前に目にしていただけるよう、心から祈っています。
参考リンク
LinkMicrosoftサポート:Windows 8.1サポートは 2023 年 1 月 10 日に終了します
このサイトの中に、『Windows 10またはWindows 11にアップグレードする無料のオプションはありますか?』という項目があり、読んで頂くと Windows 8.1から無償アップグレードはできないという公式見解を確認できます。
無償更新の例外規定については、2016年当時に関係各所から聞いた情報となります。
現時点でも変更はないとは思いますが、気になる方はMicrosoft Support などで今一度ご確認ください。