クラップウェア (Crapware) に関するTips

クラップウェアって何ですか?

クラップウェア (Crapware)とは、
ユーザー(パソコンの購入者・利用者)が、求めていないのに、パソコンにインストールされているソフトウェアのこと。
類似の用語と正確に線引きをすることは難しいのですが、パソコンを購入した時、すでにプレインストールされているソフトウェアのうち、ユーザーにとって何の役に立つのか不明なもの、常時、そのソフトウェアが動作していることでパソコンの性能(リソース)が消費され、ユーザーの体感スピードが低下し不利益を被る、そんな条件に合致するものを、クラップウェアと呼んでいます。

何かのソフトウェア (例えばフリーウェア) をインストールした時に一緒にはいるソフトウェアのうち、アドウェアにも、PUP (潜在的に望まれないソフトウェア) にも該当しないものを、クラップウェアと分類する場合があります。

クラップウェアの生い立ち

クラップウェア (crapware) がどのように生まれるのか?

あるソフトウェア会社が、新しいソフトウェアを開発したとしましょう。当然、沢山のユーザーに使っていただきたいと考えるでしょう。フリーソフトであれば尚更です。

正攻法としてはどこかのサイトに公開して、ウェブ広告などで宣伝をして、ユーザーのクチコミなどで広がっていくことを期待するのが一般的だと思うでしょうが、黙っていても多くの方が推奨したり、紹介してくれたりするソフトは、ごく僅かな優れたソフトウェアのみで、それ以外の普通の、もしくは、普通なのかどうか (良いものか、そうでないのか判らないものも含めて) そういうソフトウェアは広く浸透することはありません。

そこで、ソフトウェア会社は考えます。
パソコン・メーカーが販売するパソコンに、プレインストールの形で最初からインストールしておけば利用して頂く機会も増えるし、自社の製品の魅力に気付いてくれるかもしれない、確率的にもそのような効果が期待できる、そう判断したソフトウェア会社は、パソコン・メーカーに対してオファーをします。プレインストールして頂く代わりに金銭を支払ったり、パソコン・メーカーが喜ぶ条件を提示して、プレインストールしてもらえるよう交渉します。パソコン・メーカーもウィルス対策ソフトで検知されるような粗悪なソフトウェアでなければ自社の評判に影響はないので、このようなオファーを受ける傾向があります。

利益関係をまとめると、
ソフトウェア会社は、自社の名前や、ソフトウェア製品が、通常の方法よりも早いペースでユーザーに認知される。また、有名なパソコン・メーカーに採用されることで、プランドイメージが向上する。
パソコン・メーカーは、オファーの条件である金銭や、その他自社に取ってプラスの条件(収入)があるので、パソコンの販売競争でコスト削減を余儀なくされている中、パソコン販売に伴う副収入がえられる。

ソフトウェア会社とパソコン・メーカーの間では、ウィン – ウィンの関係なのです。

クラップウェアを予防する方法

ユーザーは蚊帳の外であることが、判っていただけましたね。
ユーザーもやられっぱなしではいけません。何か対抗策か予防策を講じないといけません。

クラップウェアを入れるか、また、どの程度インストールするかは、パソコン・メーカーの考え方によるところが大きいので、そもそも、クラップウェアを入れていない、少ないパソコン・メーカーを 選ぶ必要があります。

一般の方よりも、比較的たくさんのパソコンを扱う当店の印象では、海外メーカーの方がクラップウェアの数が多いという印象を持っています。中でも Lenovo さんを始めとする格安パソコンを販売するメーカーは、数が多いですね。

インストールされたまま、実際は使っていないソフトウェアがあると思います。そういったソフトウェア名を調べて、自分に必要のないソフトウェアであれば、アンインストールをして排除する、という事も必要です。
(ユーザーの趣味趣向によっては、そのソフトウェアがクラップウェアか否かも変わってきます。)

よくある質問

お客様からのご相談で、このクラップウェアに関する内容になることがあるのですが、その中でよく質問される内容をまとめました。

そういう意味では、PUP などとも区別されることが多いです。クラップウェアは、例えとしてどうかとも思いますが、『毒にも薬にもならないソフトウェア』というところでしょうか。今後、パソコンの性能(リソース)を無駄遣いすることが『ユーザーにとっての不利益 = 悪』という価値観が多数派となれば、このような勝手にインストールされ、勝手に動作し続けるようなソフト、まさにクラップウェアはウィルスのように駆除の対象となる時代がくるかもしれません。これは価値観の問題なのです。