ハードディスク故障に備える(バックアップ)職場などで、ハードディスクを共有し、みんなのデータを一括してバックアップする手順を導入している場合、あまりパソコンに詳しくない方ですと、以下のような期待をしがちです。

『バックアップのシステムが導入されている。』 イコール
『大事なデータはバッチリ守ってもらえている。』

と捉える方がほとんどですが、これは間違いです。


間違っていた 悲しい事例。
読売新聞:1学期の成績を保存したHD破損…広島の中学


参照元が消えていたときのための要約。ある学校にて、職員室の先生たちが成績などの管理データを、職員室備えつけのハードディスク(RAID1 ミラーリング対応)に保存して運用していたそうなのですが、ある日データを閲覧しようとアクセスしたところ、データが消失していたとのこと。数日前に電気設備の点検などがあったため、そのときにトラブルになったのではないかと疑っている、そんな内容でした。被害規模がまちまちで、全てのデータをここに格納して運用されていた方もいて、学期末に使うデータが全部消失したという大きなトラブルに発展しました。


ここで導入されている手順 (= みんなのデータを一括してバックアップ)で、ある程度期待が持てる効果は、
『使っているパソコンのハードディスクが自然故障した時に、前回バックアップした時点でのデータが保証されているであろう』
ことだけです。(二台同時に故障が発生する確率の低さから)

バックアップが残っていたとしても、
バックアップ実施の頻度により、データが遡る(過去のデータに戻ってしまう)被害はゼロではありません。

今回のトラブル原因予想

今回引用した記事では、電気設備の点検後に異常を見つけた、とあるので
よくあるトラブル事例から想像しながら可能性を探りますと、

ハードディスク、電源入れっぱなし説

『定期点検が行われることが周知徹底しておらず、ハードディスクの電源をいれっぱなしにしていた。』
定期点検開始時にブレーカーを落とされ、ハードディスクが瞬断(停電)し故障した。

直前にバックアップしていなかった説

『定期点検前なのに、データのバックアップを実施していなかった。』
→ 二台目の方は自然故障だったのに、直前のバックアップを実施していなかったため故障に気付くのが遅れた。
一台目は、定期点検(停電)による故障、二台目は自然故障(に気付かず。)

実はちゃんとバックアップしていなかった説

変化球的予想として、
『実はちゃんとバックアップしていなくて、一台目のハードディスクの故障だった。』
バックアップ手順(システム)を設定した時にちゃんと、バックアップが出来ていなくて、確認もしたことがなくて、今回のトラブルでデータが入っていないことに気付く。責任問題など色々と発生するため、定期点検によるバックアップシステムの故障で、データ復旧不可という話にしてしまった。

まぁ、予想は色々あるのですが、この手の
『バックアップされているはずだったのに、実はバックアップがまったく無い状態に陥ってしまった。』
という被害の方が、事後の対応が大変だったりします。

今回のトラブルで学ぶべき事項

バックアップのシステムを作る場合、利用者(= データをしまっている方)に対して

  • A. バックアップ効果(= データ保護)が期待できる事象と、
  • B. (システム導入後にも)変わらず存在する消失リスクについて、

区別して説明をしておくことが重要です。

A.期待できるメリット

  • ハードディスクが故障した時に、前回バックアップしたデータが残存できる可能性が高い。

B.変わらず存在するリスク

  • バックアップ周期の期間は、保存データが遡る可能性があること。
  • (今回の事例では) 物理的なアクシデントに対して大きなダメージを負う可能性があること。
    例. 地震によるHDD落下→全滅、定期点検でブレーカー落とされHDD全滅 など。
  • (今回の事例では) 盗難などによるデータ消失の可能性。
  • (今回の事例では) 火災報知機(スプリンクラーなど)の誤作動による、水没故障の可能性。
    設置場所が同じ場合は、HDD水没→全滅の可能性あり。
  • (設定によっては) 作業者のミスによって、人為的にデータが消失すること。
    原本のデータを完全にバックアップするシステムだと、人為的ミスも反映されるため予備も消失する可能性あり。

当店でもバックアップ立案についてお手伝いができます。

上記のように、ハードディスクのバックアップをしても守れる事象は、ごく僅かであることが判ります。
組織でバックアップを導入する場合、

  • どの事例(アクシデント)に対して、データ保護の手段を確立するか?
    目的を明確にして、必要なバックアップを組み立てる方法。
  • この予算で実現できるバックアップは、どこまでなのか?
    予算を明確にした上で、できることを実施する方法、アプローチ。

予算を決定してバックアップを導入される場合、そのシステムでできること、できないことをちゃんと整理して把握することができていないところが多いように感じます。
調査機関の統計では、データ消失のきっかけで一番多いのはヒューマンエラー(人的ミス)によるものです。
ハードディスク故障に対する備えも必要ですが、人的ミスによる備えも必要ではないでしょうか?

そういったご相談も、当店ではお受けできます。お気軽にご相談ください。

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