ウィルス対策ソフトの善し悪しとは
『良い』ウィルス対策ソフトって、どういう基準?
よく聞かれるんです。
『どのウィルス対策ソフトを買ったら良いですか?』って。
そんなときに、当店では下記のようなお話をします。
ポイントは、大きく分けて 3つあります。
第一に、防御力。防ぐ能力です。
ぼうぎょりょく。
ウィルス、スパイウェア、トロイの木馬など、侵入を試みるウィルスを瀬戸際で防ぐ能力です。
検出力・検出性能
怪しいソフトを見つけて、片っ端からやっつけてしまうと、下記に記す『誤検出』、勇み足的な事にもなります。
ちゃんと論理的に ぎりぎりの判断をして怪しいものだけを排除することが大事です。
防御能力は、高いウィルス検出能力 と 誤検出をしない能力 の総合的な判断となります。
第二に、修復力。元に戻す能力です。
ふくげんりょく。ウィルスの感染があったファイルから、ウィルス部分を除去して、もしくは正しいファイル、並び、情報と差し替えて、本来あるべき正常な状態に戻すこと。
少し前のウィルス対策ソフトの試供版では、検出は出来るが駆除は有料版を購入してからでないと実施できません!みたいな仕様のものがありましたが、最近では期間を区切って、全ての機能が体験できますという形が一般的です。
駆除力
ウィルスを検出することと、それを正しく駆除することは、一般的なユーザーさんの視点からすればワンセットであり、『あたりまえ』と思われるかもしれませんが、ウィルス対策ソフトの性能を評価する場面では、この二つは分けて考えられています。
第三に、使いやすさ。駆除が全てじゃないんです。
いくら検出や駆除の能力が高くても、
『使いにくければ、判りにくければ、どうしようもない』のです。
使いやすさ、についてご説明します。
低負荷 (パソコンにやさしい動作)
ていふか。パソコンの処理能力(CPU演算機能やメモリー消費量)に対して、あまり大きな負担を要求しないソフトウェアのこと。
パソコンの性能の全てを検出や駆除に回すと、いくら安全なパソコンでも、利用する側からすれば、性能の観点から不満足な状態となります。
一般的に、ウィルス対策ソフトをインストールしたら、止まったように遅くなった!なんていう事例はここに関係します。
一昔前、Windows Vista機が登場した頃に、ウィルスバスターや、フレッツ・ウィルスクリアーを導入されたお客様が、『ウィルス対策ソフトをインストールしたらパソコンがおかしくなった(遅くなった)』とパソコン屋さんにクレームの電話を入れるほど、その当時かなりバランスの悪い製品がありました。
(現在では、状況は変わっていますのでこんなに極端な事例は減ってきています。)
少誤検出
いくら検出能力が高くても、間違った検出が多いことは大変まずいことになります。
ウィンドウズで使っている大事なファイルを、誤ってウィルスと判定し、駆除してしまったためにウィンドウズが動かなくなった!なんていうトラブルが発生するたびに、インターネット上では大騒ぎになります。
かなりの本数が売られているソフトだと、問題発生の翌日などは、それはもう大騒ぎになりますし、新聞沙汰になります。
ですから、正しい検出率は、検出能力と 誤検出を出さない能力の合計で判断されています。
第四に、全体的な判りやすさ
全部で三つって言ったのに、第四って!って思われた方すみません。
ウィルス対策ソフトも、今ではウィルス防御の機能だけでなく、
- インターネット(通信)の監視・外部からの侵入監視
- ウェブ上の危険察知・回避する機能(フィッシング回避)
- 有名ソフトのバージョン確認や既知の脆弱性通知機能。
など、パソコンの中で行われている作業のほとんどをカバーする、パソコン総合対策ソフトのような位置づけに変わってきています。
それ意外の観点でも、
- 不慣れな方が安心して使える工夫。
パターンファイルの更新をしていて、パソコンの動作が少し遅くなる時など、更新をしていますと一言表示してくれていると、あぁ更新作業をしているので少し遅いんだなぁと判るような、そんな一工夫があるとパソコン利用者は安心できるってものです。 - 購入した対策ソフトのライセンス管理や、更新案内
更新手順の判りやすさなど、ソフトと付き合っていく上で『利用者が判りやすい』と思うような細かな配慮
こんな項目についても、以前よりずっと求められています。
(以前と比べても、機能が沢山増えて大変ですからねー。)
それらの総合評価でソフトの善し悪しが決まります。
お客様によっては、
検出や防御の性能が高ければ、多少プログラムが重くても、メモリーなどを追加して対処するので構わない!という方は第三の項目の重要性が下がるでしょうし、
パソコンにあまり詳しくないので、なるべく簡単で判りやすいソフトを選びたい、という方でしたら第三・第四の項目を『もっとも優先すべき検討項目』とされるべきでしょう。
お客様によって良いソフトの基準は変化するのです。
さらに詳しいお話が聞きたい場合、『パソコン何でも相談』などでも解説が可能です。具体的なソフト選びなどのお手伝いもできます。