Windows11が搭載されている中古パソコンを購入する前に (注意喚起)

Windows11がインストールされていても対応機種とは限らない

ここ最近、ちょっと危険な組み合わせで販売されている中古パソコンを目にする機会が増えてきました。
Windows11がインストールされている中古パソコンなのですが、本来はWindows11の導入基準に満たない仕様のもの(=動作保証がない規格のもの)に、無理やりにWindows11をインストールした商品が散見されます。
現在のWindows11はインストール後に正しく動作するかは別として、インストールしようと思えば、技術的には、ほとんどのパソコンにねじ込むようにインストールできてしまう事実があります。まだWindows11らしい新機能が搭載されていないこともあって、購入後しばらくの間はそれなりに動いているモデルが多いのもこのあたりの事情が絡んできます。
(Windows 10へ半ば勝手に更新されてしまった事例とは違い、再生事業者・販売者が意図的に古いパソコンへWindows 11をインストールしているのです・・・)

以下のような危険な組み合わせについて、商品知識の浅い方が騙されないよう注意喚起のような記事を作成しておきます。特に中古パソコンを探されている方はご注意ください。

世の中に存在するパソコンの種類

2022年の初春、この時期に存在するパソコンの区分についてまとめました。
パソコンの発売時期、そのパソコンに本来付属しているOSライセンスの種別と、購入時に導入されているOS(Windows)の種類とで区分してみました。あなたが購入を考えている商品がどの区分に該当するかで、その後のリスクが変わります。(Windows10として利用するのか、Windows11として利用するのかでも変わります。)

Windows10が搭載された中古PCで、Windows7/8時代のPCをアップグレードした

販売店の技術力によりかなり差が出ます
Windows10へ変更する際の導入や設定の方法によっては、動作が遅くなったり、使えない機能が生じたりする組み合わせです。パソコンの再生作業に携わった企業のスキルで変わる部分ですので、吟味して購入することが必要です。オークションや個人間取引などで調達することは避けた方が良いと思われる分類です。

・テレビ視聴機能が利用できなくなっている。
・動作速度が極端に遅くなっている。
などは、アップグレード時に生じるトラブルの代表例です。

Windows10が搭載された中古PCで、Windows10時代のPCを再整備した

販売店の技術力により差が出ます
元々Windows10で販売されていたモデルなので、ちゃんと正しく導入と設定を行えば、トラブルなどは少ないと推察できます。こちらも(前出のWin7/8ほどではないが)パソコンの再生作業に携わった企業のスキルで変わる部分ですので、吟味して購入することが必要です。オークションや個人間取引などでの調達は、避けた方が無難だと思われる分類です。

Windows10が搭載された新品PCで、Windows11ライセンスをDGした

安心して使える組み合わせです。
DGとは、ダウングレード (Downgrade)の略で、その製品に付与されたOSライセンスより前のOS製品で仕立て直して出荷していることを意味します。
主にビジネスモデルに多い販売の方法です。パソコン自体にはWindows11相当のライセンスが付属しますが、初期導入OSとしてWindows10が選択されているケースです。現時点でWindows10で動作し、将来的にはWindows11に更新して利用することが期待できる商品で、OS切り替え過渡期には磐石な組み合わせと言える商品です。
難を言えば、普通には流通していない商品であること、量販店などで売られている一般消費者向けのモデルには、この権利は含まれないことです。
法人向け商品の扱いがある販売店などで購入する必要があります。

Windows11が搭載された中古PCで、Windows7/8時代のPCをアップグレードした

この項目は特に注意してください。 一般的にWindows 7 やWindows 8/8.1 が搭載されて販売されたパソコンのほとんどは、Windows 11の動作保証がありません。一般的には対応していない機種となります。 以下に記すように裏技を使ってインストールすることは可能なのかもしれませんが、正しく動作する保証はだれも持っていないはずです。Windows11を作った会社が保証していないので。【簡易判断として】キーボード周りにWindows 7のシールが貼ってあるものや、パソコン底面のホログラムシールがWindows 8時代のものは注意が必要です。Windows 7に至っては販売当時に貼ってあったWindows 7シールを剥がして気づかれないように販売されている、極悪な商品もあります。確実なのは、パソコン底面などに記載されている、正式な型番を使いメーカーサポートサイトで発売年月を調べて(この項目に該当する製品か否かを)判断することになります。

この区分には手を出さないで
中古パソコン、特にインターネット上の通信販売でよく見かける商品ですが、Windows10 時代よりも更に古い時代のパソコンに、インストールプログラムに備わっているブロック機能を解除して、無理やりにWindows11をインストールし販売しているものですが、Microsoft社もPCメーカーも動作保証をしていない世代の商品です。OSのライセンスから見ても違反となります。購入直後はもちろん、将来継続して動作することが保証されないので、パソコンに詳しい方が自己責任で実験する場合や、PC愛好家などが興味本位でのインストールを目的としている場合を除き推奨できません。PCに詳しくない方や普通のパソコン利用者の方が手を出してはいけないカテゴリーの製品です。
販売店によっては、商品解説の情報が少ない・見にくい状態になっていて、この区分に該当する商品かどうかが判りにくくなるよう、CPUの世代情報やパソコンの製造時期を伏せている場合が多いので、正式な型番を調べて事前に製造時期(新品当時の販売開始時期)を確認して購入するよう心掛けてください。
※ PCに詳しくない方へ。結構な数でこのようなPCの販売情報に触れています。しばらくの間はWindows 11が搭載された中古パソコンを通信販売で購入すること自体を控えた方がいいとすら思っていますが、当店でも中古パソコンを販売している関係上、参考程度に聞いておいてください。

Windows11が搭載された中古PCで、Windows10時代のPCをアップグレードした

リスクは時期により多少変化します
Windows10のパソコンとして販売されていた商品は、その時期によってMicrosoft社による『Windows11の適合リスト』に含まれるものと、含まれないものとがあります。
適合している場合は、そのパソコンメーカーさんが動作保証(動作テスト)をしているか否かで変わりますが、基本的にはWindows11をインストールして動作する可能性が高い商品です。
適合リストにない場合でも、インテル製CPUの第7世代のように、リリース前のベータテスト期間中にはサポート対象だったという境界すれすれのモデルもあったりと、『Microsoft社などの保証はないけれど、インストールすれば動作する』というモデルも存在します。
購入の方法については、正式な型番を入手して、各PCメーカーのサイトで対象機種かどうかを確認するのがベストです。
追加で解説します
Windows 10への無償アップグレードを経験された方がよく勘違いされる事柄なのですが、Windows11においても『どんなパソコンでも(Windows10の時と同じように) Windows11にアップグレードできる』と思っている方が多いことです。

そういう勘違いをされている方がよく陥る勘違いは、前の項に記したような『Windows11が搭載された中古PCで、Windows7/8時代のPCをアップグレードした』という商品が存在することがおかしい!というところに気づかず、『売っているんだから大丈夫でしょ!』みたいな感じで購入してしまうという不幸が沢山発生しています。

今回のWindows 11は、動作するための環境(CPUの世代・種類や搭載されている機能など)を明確に設定されていて、その設定に該当しない機種については、普通の方法ではWindows11をインストールできないようになっています。 ただし、さらに事態を複雑にしているのは、インストールツールの改造情報が出回っていて、本来インストールプログラムが『対応していないパソコン』として弾く機種であった場合でも、そのまま無視して(仕掛けを回避して)インストールできてしまうツール(情報)があります。通信販売など一部の業者さんでは、これら未対応な時代の機種から、まったくかすりもしないような古~い時代のパソコンにまで、Windows11をインストールして販売している事例をよく見かけます。

パソコンにお詳しくない方は特に注意ですが、Windows11がインストールされて販売されている = 新しい世代のパソコンだと短絡的に判断されないようにしてください。

Windows11が搭載された新品PC

メーカー保証がある製品ですので、Windows11であれば問題なく利用できます。
Windows10に変えて使いたい時は注意が必要です。
ビジネスモデルと違い、量販店などで売られている一般消費者向けのパソコンには DG(ダウングレード)などの権利・サポートがないことがほとんどです。Windows10に変更して(DGして)利用する手段は提供されていません。新しくパソコンを購入する前に(例えばお仕事関係の制約などで) Windows10に戻す可能性があるのかどうか、じっくり検討して購入してください。可能性がある場合には、DG権利がついた製品を選んでおくと保険になります。

Windows11が搭載された中古PCで、Windows 11だった製品を再調整したもの

もともとWindows 11販売開始後に作られたモデルで、再流通される際にリカバリーや回復などの処置を経てWindows PCで仕立て直しされたものです。動作条件は満たしているので問題ない組み合わせです。

Windows11にまつわる条件やルールのまとめ

ここ大事! どんなパソコンでもWindows11に更新(アップグレード)して利用できる訳じゃないが、裏技を使えばかなり古いPCにだって、Windows 11をインストールできてしまう事実もある。
Windows 7/8.1の使用期限を延ばす目的で、Windows11にアップグレードすることはできない。
✅ Windows 10が稼働していても、Win 7/8.1からアップグレードしたPCはWindows 11にできない。
✅ 可能性の目安は、(新品販売の時点で) Windows10搭載だった機種のうち、比較的新しい年式のもの。
✅ きっちり見極める際は、PCメーカーサイトで確認する必要あり。

Windows11が入っている中古パソコンを買うときは注意が必要。
本来適合しない時代のパソコンにも、無理やりWindows11をインストールできる方法が存在する。
✅ 通販など一部の悪い業者が、とても古い型番に無理やりWindows11をいれて販売している。
Windows11が入っているから、年式が新しいと勝手に思い込んでる人が騙されて購入する。

✅ Windows 10のパソコンを新しく購入したい場合は、ダウングレード権利が活用できるかも。
✅ ビジネスモデルの一部に、Windows11としての権利を付与しつつ、動作OSがWindows10に替えてあるモデルがある。
✅ 普通の電気屋さん、量販店ではこのようなモデルは置いていないことがほとんどなので、ちゃんと探さないといけない。

当店ではこのようなOS選択の際のご相談を受け付けています

購入前相談のジャンルになりますが、店頭で購入候補の商品について、上記のようなWindowsの種類に関する相談と解決をお手伝いしています。『パソコン何でも相談』🔸 でお受けしております。お気軽にご相談ください。
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