ストレージを落としたり、ぶつけたりした時に注意すること

アクシデント発生後の対応の仕方で差が生まれます

我々の身の回りには、ノートパソコン、ポータブルHDD製品などを筆頭に沢山の『ストレージ』記憶装置が存在します。持ち運ぶことが多いせいか、落としたりぶつけたりしてトラブルになることが多いです。
アクシデントが発生して、すぐにトラブルが発生する重傷度の高い事象もありますが、アクシデントの何割かは『少し経ってから状況が悪くなった』という事例が含まれます。 (当店調べ)

この記事では『落としたりぶつけたりしたら、ぜひこういう行動を取ってほしい』という内容をまとめておきますので、記憶の片隅にでもおいて頂けたらと願っています。


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注意事項!
物理的な破損や、水没・水濡れ事象に関するアクシデントの場合はこの記事の内容は参考にせず、パソコン・メーカー/修理店などに相談して、適切な対応を行ってください。

アクシデント発生から対処完了までの流れ

1. アクシデントが発生したら状況の確認を

『今の・・・大丈夫だったかな?』そんなアクシデントに遭ってしまったら、できるだけ早いタイミングで状況の確認を行ってください。

【例】パソコン本体なら、電源が入りWindowsなどのOSが起動すること。
【例】外付けHDDなら、PCに接続してデータが正しく閲覧できること。変な音がしないこと。

2. 異常があったら、すぐにメーカー・修理店に相談を

物理的な破損や、水濡れ事象の場合などは、電源をいれたり確認したりせず、専門のところに相談してください。つなぐ(通電させる)行為は症状を悪化させるだけです。

この時すでに正しく動作していなければ、メーカーや修理店に相談すべきです。
🔴 a.何回も電源を入れ直して、起動処理を繰り返す行為は絶対に禁止。
🔴 b.自動修復の画面があらわれた場合は、すぐにメーカー・修理店に電話相談を。
🔴 c.電源を入れた後で異音などが発生している場合は、すみやかに電源を切る。
操作【a.】は絶対におやめください。落下・衝撃などで生じた故障には効果はまったく無いです。むしろ最悪の手です。
症状【b.c.】に該当するような、異常な画面、異音が生じる時間を短くするよう配慮してください。異常状態での通電時間が長くなると症状が悪化してゆきます。症状【b.】の場合は、相談先にもよりますが、速やかに電源を切るよう指示されることが多いと思います。

3. 異常がなければ、すぐにデータのバックアップを

一番重要なこと!
アクシデントのあとで生じるトラブルには『時間差攻撃』のようにタイミングがずれて後から生じる症状があります。アクシデント直後に問題がなかったせいで油断してしまい、その後症状が発生することで被害に遭う事例が多いと感じています。

アクシデント直後の確認で、無事にデータにアクセスできることが確認できたなら、(できればその場で)データのバックアップを行ってください。

【例】パソコンが対象だったら、USBメモリなどの外部記憶にコピーを取る。
【例】外付けHDD製品など、ポータブル製品だった場合は、パソコンでもUSBメモリでも何でも良いのでコピーを取ってください。
『コピーなんて自分でやったことがないよ』という方は、そういう作業を代行してくれる『パソコン修理店』🔸 を探して、持ち込んでデータのコピーを取ってもらってください。

4. 蛇足。コピーを取る時は重要なものから

意外に覚えておくと良いこと!
緊急時のデータ・バックアップ作業は、いつもと違う操作であわてていることもあってか、変なことをしがちです。緊急バックアップにおいて重要なことは、『大事なデータから、コピーを取ること』です。

なんだ、当たり前じゃないか!と仰る方も多いでしょう。
でも、実際の場面を伺うと、こんな事例が発生して『大事なデータを取り損ねた』りすることがあるんです。

【事例】アクシデントが発生し、幸い無事に起動できたので予防的にデータのバックアップを取る作業を始めた。
一番欲しかったのはドキュメントフォルダーで、デスクトップ・フォルダーや、ピクチャーフォルダ、ミュージックフォルダーは、まぁ取れれば取っておきたいという程度のものでした。
エクスプローラを開いて、上記フォルダー4カ所を一括選択し、外部のストレージにコピー指示をしました。
コピー完了時間が結構かかりそうだったので、他の仕事をしてこようとその場を離れ、しばらくして戻ってきたらパソコンの電源が切れている状況でした。
データが無事に取れているのか心配になり、他のパソコンに外部ストレージをつないで確認したところ、ミュージックフォルダーの一部が取れていただけで欲しかったデータはまったく取れていませんでした。

【原因】Windows側のコピー動作は、複数箇所を選択された時にどこのフォルダーからコピーし始めるかは、操作時の選択順番や並びに影響します。利用者が思う優先度とは異なる順番で作業が始まるので、今回のような事象もあり得ます。

【改善】今回のような場面では、真っ先に『ドキュメントフォルダーだけを選択してコピーする』が正解でした。一回目のコピーが完了したら、デスクトップ以下、二番目に重要なデータをコピーすれば、ひょっとしたらドキュメントフォルダーは無事にバックアップできたかもしれません。

教訓。
このように余裕がある時に説明を受けると、確かに普通はそうするのが確実だよねと理解できるのですが、こういう場合『アクシデントがあったけど無事動いた(読めた)ので、バックアップも普通にできるよね』という思い込みがあったのだと思います。
故障しかかっていて、残りわずかの時間しか動かない!という前提で操作すれば、絶対にドキュメントフォルダーを先にコピーするし、その場から離れずにコピー作業を見守ることもしたでしょう。

アクシデントが発生した時に、いかに冷静に判断し作業を指示できるか、時間を空けずに速やかに作業を行えるかで、ご自身のデータが守れるか否かが変わってきます。参考にしてください。