Legacy と UEFI ブートモードの違いについて
判っていそうで判っていない専門用語 Legacy と UEFI
当店でも色々なご相談やご説明の中で、ディスク形式やブートモードを話題にする機会があって、断片的にはお客様にお話してきた内容でもありますが、ブログ記事としてまとめてはいなかったので、今回このテーマで記事を作成します。
固有名詞を駆け足で解説します
それぞれの固有名詞の詳細情報は、世の中にたくさんあり図解されたりもしていて、もっと見やすいものがありますので、興味があればそちらを参考にしてください。ここではそれぞれの関係を説明するための必要最小限で記載します。
BIOSとブートモード
パソコンの核となる基本部分には、現在 BIOS か UEFI のいずれかが搭載され動作しています。
比較的古い世代にはBIOSが、新しい世代のものにはUEFIが搭載されています。境界線の目安として、新品としてメーカーから出荷した時にWindows 8以降が搭載されていた製品の多くがUEFIかなという印象です。
※ パソコンの基礎を構成する要素として『BIOS』と表記されている場合でも、厳密にはUEFIだったりすることもあります。言葉の使い方として、基本的な要素 = BIOS という表現をされているところが一定割合ありますので、BIOS = BIOS/UEFIのいずれか、くらいに読み替える必要があるかもしれません。
ここでの説明では、あなたのパソコンにBIOS/UEFIと呼ばれる基本的な機能のいずれかがパソコンに必ず搭載されていて、どちらが搭載されているかによって(後述の) 取り扱えるディスク形式やブートモードに違いが出てくることを意識しておいてください。
ディスク形式
ストレージ、一般的にはHDD(ハードディスク)や、SSDなどデータを記録するデバイスの総称として、ストレージと呼んでいますが、このストレージのフォーマット形式(というかパーティション管理形式)のことを、ディスク形式 と言い、MBR形式でフォーマットしたストレージを『MBRディスク』 と呼び、GPT形式でフォーマットしたものを『GPTディスク』 と呼びます。
※MBR、GPTって何?という部分は、解説量が多くなり論点がぼやけてくるので、ここではばっさり割愛します。興味があれば検索してみてください。
ブートモード
BIOSやUEFIのお仕事のひとつに、WindowsなどのOSをブート(起動)するという機能があります。このブート機能を動作させる際に、どの形式のストレージを探してブートするかモードを選びます。
Bootmode(ブートモード)には、Legacyブートモード と UEFIブートモード があり、それぞれ、Legacyブートモード ではMBRディスクを、UEFIブートモードでは、GPTディスクを探して起動させようとする動作が標準的な作法となっています。
※ UEFIにおいては、あえてLegacyブートモードの作法に従わせるという設定に変更することも可能な製品があります。
ブートモードとWindows
歴代のWindows製品では、OS自身をインストールする際に、対応するディスク形式が決まっていて、以下のようになっています。
* Vista以前・・・MBRディスクのみ対応
* Windows 7 ~ Windows 10・・・MBRディスクでも、GPTディスクでも対応可能。ただしインストール時にストレージのディスク形式とBIOS/UEFIのブートモード設定を適切に変更しておく必要があります。
* Windows 11・・・GPTディスクのみ対応
ブートモードに関するトラブルの多くは、Windows 7~WIndows 10の製品で発生していて、どちらのブートモードにも対応していることが、逆に混乱の元になっているようです。
よく知られている失敗事例
いずれのブートモードでもWindows がインストールでき動作するという種類があることを紹介しましたが、全ての機能が正しく動作するとは書いていません。組み合わせによっては動作がおかしくなる、エラーするという症状があります。当店で知る限りの情報にはなりますが、有名な事例をご紹介します。
ディスクイメージが作成できない
コントロールパネルにある、ディスクイメージの作成時に、エラーコード0x80070119 で中断する事例があります。
これは、Windows 10を、MBRディスク形式 (ブートモードで言うLegacy(レガシ))にインストールされた環境下で発生します。第一パーティション(管理区画)の空き容量が少ないことが原因なので、解消方法がありません。
・GPTディスク形式に変更し、てOSをインストールし直す方法か、
・他社製品のバックアップソフト(イメージ作成ソフト)を利用する方法か、
いずれかの対処が必要となります。
ブートモードを判別する方法
ご自身で利用しているパソコンが、(厳密には起動に使われたストレージが) どちらのブートモードで動作しているか?気になる方に簡単な判別方法をご紹介します。
Windows10を例にして、
【スタート】-【Windows管理ツール】-【システム情報】をクリックして、システム情報を起動します。
システム情報が起動したら、その画面内の右側で『BIOSモード』の項目を探します。
この項目が、『レガシ』になっていたら、Legacy bootmodeで、『UEFI』になっていたら、UEFI bootmodeです。
当店ではこのような要素に関係するトラブルの相談や対応をしています
これらに関するトラブルで、ご自身では対応が難しい場合は、ご来店の上ご相談ください。
ブートモードに関係するトラブルは、Windowsそのものが起動しなくなるような状況も含まれます。
起動しなくなった事例については、データ復旧サービスなどの対応を優先します。
紆余曲折があり、状況が複雑な場合は、事前にお電話頂いて当店で対処可能かお問い合わせ頂く事も可能です。ただし、お電話のみで解決することはほぼ無いので、ご来店が難しい遠方の方からのお問い合わせには制限を設けています。