ID・アカウント/パスワードの管理で失敗する人、トラブルに遭う人

IDとパスワード管理に失敗すると・・・

最近のパソコンは、OSを起動させる時点からMicrosoft accountや、Apple IDなどのアカウント情報 が必要であることが、前提で提供されています。(※ アカウントとは、サイトやサービス毎に登録した個人情報の集合で、ID/アカウント、パスワードが一番重要な情報になります。)
このアカウント情報の管理をしくじってしまうと、パソコン自体がまったく使えなくなったり、保存しているデータにアクセスできなくなったりと、被害が甚大になる場合があります。

当店では、このようなIDやアカウントに関するご相談を受け付ける中で、『こういう管理をされている方はトラブルが多いな~』 とか、『こういう風に管理出来ていて、スゴイな、関心するなー』 と思うことがあります。
今回はそういった、しくじりの事例を挙げながら、皆様にどうしたら、IDやパスワードの管理がスムーズに出来るのか? 何かヒントになる情報になればと思い記事にしています。
参考にしてみてください。

論外編 – この管理方法はリスクが大きすぎます

記憶による管理方法自体を否定するものではありません。情報漏洩に配慮した管理という点では最強に近いからです。
ただし、この管理方法はリスクが大きすぎて、当店で実際に受け付けするトラブル相談の中でも、この管理方法をされていた方がかなり多いです。そして、トラブルが生じた時に、当店がお手伝いできる範囲がとても限られてしまうことも大きいです。漏洩漏洩防止の目的であれば、究極的に安全なのですがね・・・

全ての情報は記憶のみ

IDやアカウントのトラブルに陥る方で圧倒的に多いのが、メモなどを作成せず、全て記憶で管理されている方。 まぁ記憶力は個人差があるものなので、この方法自体を否定することは致しませんが、当店でご相談を受ける方で、この管理方法をされている方が意外に多いのも事実であります。

推奨方法
やはり、記憶はあてにならない場合が多いので、最低でも基本編 レベルの管理は必要になると思います。

変更した後の情報を残さない

メールパスワードなどの忘却トラブルに多い事例ですが、プロバイダから提供された初期パスワードを自分自身で変更したところまでは良かったのですが、その変更後のパスワードを記録せず、記憶のみで管理していたため、忘れてしまったという事例。
メールパスワードなどは特に、メールクライアント・ソフトに入力してしまうと、以降は自動入力になることが多く、頻繁に入力する機会が無くなるので、このようなトラブルに陥るパターンが多いです。
プロバイダ支給のメールアドレスでしたら、プロバイダ側のサポートを利用してトラブルを解消することが可能な場合が多いですが、フリーメールアドレスなどの場合は、個人の認証もできずに手詰まりになる事例もあります。

推奨方法
面倒がらずに、最低でも基本編 レベルの管理は必要になると思います。この際、メモ帳など決まった冊子を管理用として用意することもお勧めの方法です。

注意! いっそのこと、全て同じIDとパスワードで・・・

管理が面倒だと考えている方の一定割合で、この強行手段を発動されている方がいます。
どこかひとつのサービスでも、情報漏洩や不正ハッキングをされ、個人情報が漏洩すると、その情報を元に、『同じIDとパスワードで管理しているサイトはないかな?』と、リスト攻撃をすることが一般的なので、芋づる式にすべてのサイトで被害にあうことが確定します。
ゼッタイにこの方法で、IDやパスワード管理を簡単にしようとは思わないでください。

基本編 – 最低でもこのくらいの管理は必要かも

どういう管理が良いのか、自分自身のスタイルが確立していない方は、このあたりをスタートラインに考えておいてください。

基本は手帳やメモ帳による管理

お客様から相談を受けたとき、『メモ帳による一括管理』を推奨しています。
『今どき、メモ帳ですか?』と言われることもありますが、パソコン内で管理していても、動かなければ読めませんよ?と事例をお話すると、『あぁー確かに。』と納得される方もいらっしゃいます。
とにかく方法は何でもいいので、管理してしっかり残すことが大事です。

注意! メモは丁寧に書く

大事なIDやパスワードのメモなのに、走り書きのようなものだったため、自分自身でも解読できない事象をよく見ます。数字・記号・英字の混合、大文字・小文字の区別など、パスワードの世界はとても繊細です。
自分自身の文字が読み取れないという事態は、絶対に避けましょう。丁寧に書きましょう。

これはダメ 紙片でバラバラに管理

各IDやアカウントが、別々の紙片に書かれて分散管理になっている場合は、その紙片を無くす事例を散見いたします。無くさない程度の、落としても気づけるくらいの大きさの紙やノートに記すことを強く推奨します。

努力編 – 良かれと思って行った管理がヤブヘビに

今は、色々な方法でIDやパスワードを管理している方をお見受けします。それぞれに良い点と悪い(弱点?)があるので、その善し悪しを判断した上で利用してください。

パソコン内のメモ・文書で管理

メモ帳などの記録ではなく、パソコンの中にあるメモファイルや文書ファイルでIDやパスワードを管理する方がいらっしゃいます。この方法でトラブルになる事例は・・・
災難な事例
パソコンが起動しなくなったり、ストレージ(HDD/SSD)が故障した場合など、中にあるこれらのデータが突然アクセスできなくなります。パソコンの故障発生間隔で言うと、だいたい5年周期くらいでこの状況になりますので、日々データのバックアップが必須になります。
クラウドにバックアップされている方は、クラウドサービスで利用しているIDとパスワードは、別管理・別バックアップになります。

パスワード管理アプリ

ランダムなパスワードの生成や、サイトごとのID・パスワード管理を目的としたアプリが沢山あります。アプリ自体が起動しなくなったりするトラブルに備えて、中のデータをアプリに依存しないところでバックアップしておく必要を考えておくことや、あまり有名でないアプリや、最近提供され始まった新製品のアプリの場合は、そのアプリ自体の脆弱性が原因で、外部に情報が漏れたりしないか、注意を払う必要があります。

スマホで管理

IDやパスワードの情報を、スマホ内の記録(メモアプリとか)で管理しているケースがあります。
確かに便利そうですね。ただ弱点として、スマホ自身が動かなくなった場合や、紛失・盗難の際のデータの保全について考えておく、対処しておく必要があります。→ パソコンが壊れた時のリスクとほぼ同じです。
この弱点について、考慮されていない方が結構いらっしゃるので、ぜひ注意しておいてください。

理想編 – こういう管理方法を実践したいものですね

当店スタッフに聞いたところ、意外にも全員『メモ帳で残す』派でした。

原始的ですが、メモ帳での管理は優秀です

パソコンを利用されている方にこの提案をすると、『今どき、メモ帳ですか?』と言われてしまうことがあります。確かに古くさい、イケてない、そんなイメージがあるんだと思いますが、この決まったところに書き残す方法は、今も昔も普遍的に優秀な方法です。
漏れなく記すことと、このメモ帳自体の管理を怠らなければ、令和の時代においても優秀な管理方法おひとつとして強く推奨できます。

皆さんに実践してほしい活動

以下のような活動を加えたり、実施する前に判断して頂いたりすることで、未然に防げるトラブルがあったり、サイト側が用意する救済処置によって復旧できたりすることがあります。ID・パスワード管理をしっかりやろうと心に誓った方は、ぜひこの内容についても実践して頂ければと思います。

IDやアカウント登録時に伝えた情報は全て残す

通常、IDやアカウント、新規会員などの登録時には、住所・氏名・生年月日・メールアドレスなどを筆頭色々な個人情報を向こうに伝えます。ですが、皆さん手元に記録しているのが、これらの情報だけなのです。
ぜひ、住所の情報は登録したのか?
決済情報(クレジットカード情報)は登録したのか?
ひみつの質問の設定をしたか?
など、登録時に入力したすべての情報を残すよう心掛けてください。

パスワード忘れの場合、リマインダー機能が使える場合も

主要なITサイトの場合、IDアカウントや、パスワードの忘却に対し、リマインダーという機能が搭載されていることが多いです。
リマインダー機能は、お客様の個人情報を伺って、登録時のご本人かを確認した上でIDやパスワードが利用できるよう復活させる処理のことを指します。
この機能が期待できるからこそ、前の項目でも書いた『登録時に伝えた情報は全て残す』という作業がとても重要であることが判ります。
※ リマインダー機能は、その性質上、悪いことを企む人も利用します。あなたに成り済まして、困っている振りをして乗っ取ろうとします。リマインダー機能を提供している企業は、ものすごく慎重に本人確認を実施してきますので、この手続には『一発勝負である』くらいの気合を入れて望んでください。

メールアドレスの変更・廃止手続には注意を

ID・パスワードの管理という主旨からは少し外れますが、当店でご相談を受ける際の結構な割合で、メールアドレスをIDの登録時のものと替えてしまい、(昔のメールアドレスには)連絡がつかなくなってしまったことで、回復の手続が詰んでしまった事例があります。
メールアドレスを変更・廃止する必要性が生じた場合は、その廃止するメールアドレスで、IDやアカウントの登録先として利用していないか?事前に確認しておくとトラブルを未然に防げます。

どのサイトに、どのメールアドレスを登録したか

複数のメールアドレスを所持されている方に多い混乱事例ですが、どのサイトに、どのメールアドレスを登録したのか?を記録しておくと、今回の手続はどのメールアドレスに連絡がくるのが正解か?が判ります。『確認のメールを送信しました。』と表示されても、どのメールアドレスを確認すべきなのかが判らず、手詰まりになる事例もありましたので、こういう管理は有効だと思います。

当店では店頭にてこのようなご相談に対応しています

記事にも記したように、条件によってはご希望の対処がお手伝いできない場合もありますが、技術的にもしくはルール上、回復できる事例なのか、無理なのか、適切に判断することは可能です。
お客様の各種操作を横で支援することもできます。

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