BitLocker回復キーを入力する場面で文字が入力できない、回復キーIDの件

回復キーを入力する場面で多い、文字が打てない問題

パソコンの世代が新しくなるにつれ、回復キーの入力を求める場面が多くなりました。
当店で把握しているだけでも、
パソコンを初期化(回復)しようと手続きを始めた時
セーフモードでの起動を試みようとした時
・最新の機能更新プログラムのアンインストールを選択した時
などです。

2022/08/28 追記.Windows 11で発生したトラブルの影響か、このページの閲覧者数が増加しています。BitLockerの回復キーが絡む処理全般は、手順を間違うとCドライブ内のデータを全て消し飛ばす威力があります ので、お近くのPCに詳しい方に相談しながら慎重に作業を行ってください。
(当店では電話相談による解決案内には対応していません。)


おそらく検索などでいらした方は、回復キーの入力ができない、文字が打てない という症状でここのページにいらしたと思いますので、先にこの問題について結論を書きます。(回復キーを入力する必要性について理解されている方はそのまま読み進んで下さい。)
※ あなたがもし『なんで回復キーを入力させられているのか判っていない方』 や、『現時点で、なぜこの画面が表示されているか?理由が判っていない』方は、注意が必要です。立ち止まって状況を整理しましょう。これらの情報は最後に少し記します。そもそも、このBitLockerの画面が表示されていることが問題であって、回復キーを入れることが適切ではない場合が一定の割合で含まれています。

回復キー入力時に回復キーが入力できない、数字は打てても文字が打てない場合

回答
回復キーを入力する場面で、数字は打てるけれど、アルファベットが打てないという症状は、少なくともキーボードの故障ではありませんし、まだパソコンが故障していると断定できる要素はありません。
(※回復キーの入力画面が出たこと自体は、トラブル(故障?)の可能性はあるのですが・・・)
今回の疑問に回答すると、回復キー入力の場面で文字が打てない事が問題なのではなく、あなたが回復キーではない情報を入力しようとしているのが原因です。すごく紛らわしい固有名詞が原因なのですが、『回復キー』と『回復キーID』は異なる別の情報です。数字と文字が混在した、一見回復キーのような情報は、回復キーIDという別の情報です。本当の回復キーは、全て数字だけで表される情報になっているはずです。
じゃあ私の回復キーはどこなの?っていう話しになりますが、
事前にお手もとに印刷した、もしくは紙に書き残した回復キーがある場合を除き、別の手段を使って回復キーを入手、確認します。どこに回復キーがあるのか?については、この記事の最後にある『回復キーを探す』が参考になります。その当時の記憶を頼りに、保存場所を推測します。

回復キー入力時に、文字も数字もまったく打てない場合

先にこちらの事例についても説明しておきます。アルファベットも数字もまったく打てない事象について。
キーボードが認識されていないか、パソコン本体側のハードウェア的な不具合が想像できます。お近くのパソコン修理店に相談しないといけない事象と推察されます。

紛らわしい、回復キーIDってのは、一体何なのさ!

回復キーだと思って、実は回復キーIDを入力してしまうトラブルは、結構あちこちで発生していて、当店でも相談件数が多い事例になります。ちょうど店舗営業の忙しい時期と重なって、なかなか記事に残しておくタイミングが作れませんでした。

回復キー は、BitLocker暗号化が施されているストレージ(HDDもしくはSSDなどのデバイス)に対して生成される鍵のような情報で、そのデバイスの情報を書き換える時や特別なアクセスをする場合に『開錠するために必要な』情報となります。
※ ストレージに特別な処置をする際に、この回復キーの入力を求められる場合は、あなたのストレージ(ハードディスクもしくはSSDなど)にBitLocker暗号化の処置がされていて、そのままではアクセスできない(暗号を解除してから作業を継続する必要がある)ことを示しています。
それに対して、回復キーID は、回復キーにつくラベル(識別)のようなもので、後述のマイクロソフト・アカウントに紐づけて管理される回復キーがあった場合に、ひとつのアカウントに複数の回復キーが紐付くことも考慮し、このデバイスで入力を求めているのは、このラベルのついた回復キーですよ、という風にアナウンスしています。

例えるなら、家の中で複数の鍵を管理している場所があって、形が似ていて紛らわしい鍵に、『庭の倉庫の鍵』とか『勝手口の鍵』みたいにラベルやキーホルダーをつけて識別する方法と似ています。ここで言うキーホルダーが『回復キーID』、鍵そのものが『回復キー』に相当します。

この問題が生じやすい原因はだいたい判っていて、キーやIDの表現方法が似ていること、回復キー、回復キーIDと、固有名詞で、かつ、近い言葉が並ぶことです。
パソコンと普通に接している方でしたら、おそらくリカバリー(回復・初期化)を実施しようとするタイミングでしか、回復キーの存在を意識することがない のに、その画面に回復キーIDなる、別の情報が表示されていたら、そりゃまぁ普通に勘違いしますよねー、っていうことなんです。

回復キーを入力する場面が発生する事例

回復キーを求められる場面について、いくつかの事象をまとめておきます。
なんで回復キーの入力を求められているのかが判らない方へ向けて。この作業はストレージ(HDDやSSD)に変更を加える、初期化する時に求められるので、『この先で初期化などデータを失う可能性がある作業が行われる』ことを意味します。トラブル発生時で、大事なデータを救出することが第一である場合は、この作業を勧める前に『データ復旧サービス』などでデータを確保しておくべきか、慎重に検討してください。

リカバリーや回復の操作をした場面

回復を選択した時に表示される画面の例。URLが短縮表記(aka.ms)でないので古い表現の可能性あり。

ドライブから回復する
使用できる状態に戻すには回復キーを入力してください(キーボードレイアウト:US)
キー入力欄
このキーを取得するには、別の PC またはモバイル デバイスから
http://windows.microsoft.com/recoverykey にアクセスしてください。キーIDが必要な場合は、●●●● を指定します。
ドライブラベル xxxxx-xxxxx-xxxxx-…

セキュアブート関連の操作をした場面

実際の事例では、まだ見たことがないバリエーションですが、ブートに関するポリシーの変更で発生するようです。

BitLocker回復
このドライブの回復キーを入力してください
キー入力欄
次の理由により、BitLockerでドライブのロックを開示する回復キーが必要です。セキュアブートポリシーが予期せずに変更されました。
このキーを取得する方法の詳細については、別の PC またはモバイル デバイスから
http://windows.microsoft.com/recoverykeyfaq にアクセスしてください。
数字キーまたは F1 から F10 キーを使用してください (0を指定するには F10 キーを使います)。
回復キーID: xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx

最新の機能更新プログラムをアンインストールする操作をした場合

使用できる状態に戻すには回復キーを入力してください(キーボードレイアウト: 日本語)
キー入力欄
(キーを識別する)回復キーID: xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx 間違いを誘発する一行!

このキーを取得する方法の詳細については、別の PC またはモバイル デバイスから aka.ms/recoverykeyfaq にアクセスしてください。

ドライブラベル xxxxx-xxxxx-xxxxx-…

回復キーは『鍵』なのでその場に表示されない

回復キーは、いわゆるデバイスに対するアクセスを許可するパスワードのようなものなので、回復キーを入力してください、の画面に回復キーそのものを表示してしまうと『鍵』の意味がないよね、っていう事は時間が経てば判ること なのですが、Windowsが起動せず、見慣れない画面が表示され、リカバリーだ、回復だとか、緊急事態の作業をしている最中にこれらの固有名詞を正しく理解してというのも、それはそれで難しい話しなんですよね。

異なる時期の回復キーメッセージを転載してみましたが、やはりマイクロソフト社も誤解を与えやすい文章であったことは気にしているようで、『(キーを識別する)回復キーID』 みたいな表現に直したりしています。
でも、回復キーIDの表記自体は改めない、みたいな微妙なプライドも感じ取れたりします。

回復キーと回復キーIDは別のもの、入力できなくて正解

この記事の総括はこれです。

紛らわしいけど、回復キーと回復キーIDは別の情報です。

回復キーを見つけたい、という方はここからの情報を

ストレージがBitLockerで暗号化されている以上、回復キーは必ず存在します。
存在はしているのですが、標準仕様ではパソコンの中に記録されているだけで、どこか安全なところに回復キーの控えがあるという仕様でもありません。自分自身で保管しておく必要があるのです。可能性があるかないかで言うと、ひょっとしたら『○○に回復キーの控えがあるかもしれない』という程度です。したがって、回復キーの存在を調べたけれど結果として、どこにも回復キー情報を記録(メモ)していなかった場合は、回復キーは(PC以外のところには)存在しない=パソコンは回復できない、という悲惨な結論も可能性として有り得るということです。

メーカーが勝手にBitLocker暗号化しておいて、それはないだろう!とお怒りの方も多いと思います。
私も最初にこのトラブルに遭遇した時は『また、すごい仕様で実装してきたな。これは将来混乱のもとになるぞ。』とヒヤヒヤした記憶があります。

以下の流れにしたがって、どこかに記録が残っていないか(紐付いていないか)確認していくのが唯一の可能性となります。

参考リンクにも載せていますが、個人での利用の場合、『回復キーを探す』の先にある、上位 3つのどこかに回復キーがあるはずです。(団体に所属している方は、4つ目以降の選択肢も可能性あります。)
仮にリカバリー/初期化をしようとして回復キーを捜している場合、
・回復キー情報が見つからない。
・回復ドライブを作成していない。
・リカバリーディスクなどのメディアを作成していない。
この条件が揃ってしまうと、自力でリカバリー/回復することが難しくなります。

ご相談の中で、作業用のパソコンが利用できます

当店では、BitLockerに関するご相談を『パソコン何でも相談』🔸 料金2.で対応いたします。
特に、なんで回復キーを入力させられているのか判らないけど、画面に入力しろと表示されているので入力したい、みたいな方は注意が必要です。 この作業を実施してしまうと、パソコンの中の個人データが全て消えてしまう可能性があります。(※ あえて厳しい言い方をしておきますが、消えてしまう可能性が・・・ではなく、データは消えてしまう、という前提で作業を実施するか否かの判断した方がいいです。いい感じにウィンドウズだけ直り、個人データは無事、という期待は持たない方がいいです。) トラブル発生後のタイミングでしたら、更に危険性が増した状態です。
この場合は、無理に回復キーを入力しようとしないで、メーカーサポートや地元のPC専門店にトラブルの経緯をご相談ください。回復を実行してしまう前なら、まだ色々な可能性が残されています。

回復キーが必要であることは間違いなく、その回復キーを発見・発掘する作業支援が必要な場合当店でお手伝いが可能です。
ご自宅に別のパソコンがない方で、マイクロソフトアカウントに回復キーが紐づけられている、そんな場合は、とにかくマイクロソフトアカウントでログインして、回復キーを参照・確認したいという場面も出てくるでしょう。当店のご相談の中で、当店で用意した作業用PCを使い、作業が行える環境があります。『パソコン何でも相談』🔸 料金2.でご相談いただければ、作業用パソコンの一時利用が可能です。

参考リンク

LinkMicrosoftサポート:BitLocker 回復キーを探す
回復キーとはどういうもので、どこに記録されているのか?そういう疑問に対する答えがあります。

LinkMicrosoftコミュニティー:回復キーIDとは?
やりとりの中で、回復キーと回復キーIDが登場しますので、これらが別物であることが判る情報になります。

LinkWindows で BitLocker 回復キーを見つける
回復キーを見つける方法がまとまっているページです。下の【直リンク】の方がてっとり早いかもしれません。

Link直リンク:リカバリーキー(回復キー)
アクセスすると、Microsoft Account へのサインイン画面になり、サインイン直後にリストが表示されます。情報を撮影するなり、コピペするなりして活用ください。
複数のマイクロソフト・アカウント(Microsoft Account)を所有されている方は、全てのアカウントを一通り確認しておくと良いです。